著者
山本 輝太郎 久保田 善彦
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.23-26, 2022-03-27 (Released:2022-03-24)
参考文献数
13

新型コロナウイルスの世界的な流行によるいわゆる「コロナ禍」において,科学的根拠に乏しいとみなしうるさまざまな説(疑似科学的言説)も登場し,問題となっている.なかには「新型コロナワクチンを接種すると不妊になる」といった,それが蔓延することでより深刻な問題を引き起こしかねない説もあり,そうした説に傾倒する背景要因の究明は社会的な喫緊の課題であるといえる.本研究では,こうした新型コロナに関連する疑似科学的言説への態度に関わる背景要因の分析を行った.具体的には,新型コロナに関して科学的根拠に乏しいと思われる個別の説を収集,質問項目を作成したうえで,「科学に対する認識」や「新型コロナ以外の疑似科学的言説への態度」「科学知識」などとの関連性を検討した.クラウドソーシングを用いた調査を行った結果,新型コロナに関する疑似科学的言説への態度に対して,従来の疑似科学への態度や科学に対する認識,科学知識との一定の関連性が示された.これらの結果に基づき,科学に対する認識の次元にまで踏み込んだ教材開発およびその教育実践の重要性について提案したい.

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