著者
高木 繁治 小畠 敬太郎 篠原 幸人
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.93-98, 1991-04-25 (Released:2009-09-03)
参考文献数
9
被引用文献数
1

133Xe吸入による非侵襲的脳血流測定法では上気道内に分布する133Xeによるartifact (APA) の影響が大きく, Fourier法はこのAPAの影響を除去できる計算法とされている.正常人および各種神経疾患患者11例から得られた頭部133Xe減衰曲線から従来のObrist法 (VM法) とFourier法で脳血流を計算し比較した.脳半球平均灰白質血流量F1はVM法では69.2±13.2ml/100gbrain/min (mean±S.D.), Fourier法では64.4±13.5であり, この差はFourier法によってAPAが除去されるためと考えられた.しかし前頭部, 側頭部などでは, 副鼻腔等に停滞した133Xeによる, 呼吸気中の133Xe濃度曲線とは異なる形のartifactの影響を受け, その影響はFourier法を単に使用するのみでは除去できないと考えられた.以上よりFourier法においても減衰曲線の形, APAの大きさに注意し, とくにAPAの大きさが30以上の部位からの成績は検討から除外することがのぞましいと考えた.

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