著者
亀田 豊 山口 裕顕 玉田 将文 太田 誠一
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.37, no.6, pp.211-218, 2014 (Released:2014-11-10)
参考文献数
33
被引用文献数
1 1

表流水中微量放射性セシウム放射能測定法(ADiCS法)を確立した。ADiCS法は前段のPTFE膜による懸濁態セシウムの分離,後段の選択性ディスクによる溶存態セシウムの吸着を連続的に行い,その後PTFE膜とディスクの放射能をNaIシンチレーションカウンターで測定する。作業効率性および分析精度を検討した結果,SS濃度が20 mg•L-1以下の表流水20 Lでは蒸発乾固法より約6倍以上迅速に濃縮でき,検出下限値は約10 mBq•L-1であった。また,ADiCS法測定値は蒸発乾固法測定値の30%の誤差範囲内で一致した。ADiCS法による関東地方の表流水測定の結果,高沈着量地域の表流水から100 mBq•L-1以上の放射性セシウムが検出され,事故後の有意な増加が確認できた。以上より,従来法に比較して本手法は容易に現在および将来の水中放射能や水生生物中蓄積特性を評価しうると考えられた。

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《水道水ではありません》 がやはり気になりますhttps://t.co/ypeUawTU9q http://t.co/13xPaM6vtT
選択性吸着ディスクとNaIシンチレーションカウンターを用いた  表流水中放射性セシウムの迅速微量分析方法の確立と特性評価 https://t.co/HWbVCEnZzH
選択性吸着ディスクとNaIシンチレーションカウンターを用いた 表流水中放射性セシウムの迅速微量分析方法の確立と特性評価 https://t.co/SEB2qb6pyR 濃縮蒸発乾固でなく、大量に河川水を流してフィルターに付着させてそれをシンチで測定すれば、ミリベクレル世界がみえる
「関東の柏、松戸、流山、葛飾、江戸川あたり」について、水道水ではなく、河川水や湖沼水のセシウム濃度を測定した亀田氏らの最近の論文が全文無料で読めます。https://t.co/JJZ3oB5kcV 100mBq/L程度の値が報告されています。 @makichan_markun
論文 亀田ら:選択性吸着ディスクとNaIシンチレーションカウンターを用いた表流水中放射性セシウムの迅速微量分析方法の確立と特性評価 https://t.co/JJZ3oBW7B7 関東地方の河川・湖沼水のCsを測定(Cs-134/Cs-137比がばらついているのが気になるが..)

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