著者
Hiroshi IWATA Yasuhiro TEZUKA Shigetoshi KADOTA Akira HIRATSUKA Tadashi WATABE
出版者
Medical and Pharmaceutical Society for WAKAN-YAKU
雑誌
Journal of Traditional Medicines (ISSN:18801447)
巻号頁・発行日
vol.21, no.6, pp.281-286, 2004 (Released:2007-12-28)
参考文献数
14
被引用文献数
3

26 種の生薬のシトクロム P450 3A4 (CYP3A4) 及び 2D6 (CYP2D6) に対する阻害作用を調べた。 生薬エキス粉末から調製されたメタノール可溶性画分を NADPH 生成系存在下, ヒト肝ミクロソームとプレインキュベーションした後の CYP3A4 の残存活性 (erythromycin N-demethylation 活性) と CYP2D6 の残存活性 (dextromethorphan O-demethylation 活性) を測定した。 その結果, 16 種の生薬がCYP3A4 活性をプレインキュベーション時間依存的に低下させた。 中でも, 呉茱萸による CYP3A4 活性の低下作用が最も顕著であった (30 分間プレインキュベーションした後の活性の残存率は 22.3%)。 次いで, 蘇木, 羌活, 五味子, 牛蒡子, 白, 大黄が顕著な低下を示した (30 分間プレインキュベーションした後の活性の残存率は, それぞれ 40.6, 41.2, 53.4, 47.1, 53.4, 59.2%)。 これら 7 種生薬による CYP3A4 活性低下作用は, CYP3A4 に対する不可逆的阻害剤である troleandomycin による残存率 (49.4%) に匹敵した。 CYP2D6 活性に対してプレインキュベーション時間依存的な活性の低下を示した生薬は, 5 種であった。 最も CYP2D6 活性の低下作用が大きかった生薬は, 羌活であり, 30 分間プレインキュベーションした後の活性の残存率は 61.9%であった。 以上の結果から, 呉茱萸, 蘇木, 羌活, 五味子, 牛蒡子, 白芷, 大黄等の複数の生薬エキス中に, CYP3A4 に対する metabolism-dependent inhibitor が含まれていることが示唆された。

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個人的に大事な論文 漢方もいがいとCYP3A4阻害するし、何なら呉茱萸はやべーって話 https://t.co/nozZ98Eejs

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