著者
水野 亮
出版者
水資源・環境学会
雑誌
水資源・環境研究 (ISSN:09138277)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.7-14, 2013 (Released:2013-11-01)
参考文献数
13
被引用文献数
2 1

本稿は、佐渡の農家がトキ野生復帰の取り組みをどのように受け止め、それによってコメ産地としてどのような変化を遂げてきたのかを、各種統計や筆者が実施した農家への聞き取り調査の結果から考察した。トキの餌場を増やす必要性と2004年の台風被害以降しばらく続いていたコメ産地としての厳しい状況を抜け出す必要性から環境保全型農業の取り組みが進み、2008年から「朱鷺と暮らす郷づくり」認証制度が始まった。農家への聞き取り調査から、佐渡の農家を五つの類型に分け、農家の中には認証米の参加に積極的な農家と消極的な農家がいることがわかった。積極的な農家は、環境に配慮した栽培を行うことによって他の農家との差別化を図り、コメを優位に販売したいという意図があった。一方で、消極的な農家は認証米が抱える生産面や所得面などの課題を意識し、認証米には、あまりメリットを感じていない。認証米の存続には、これらの課題の解決が不可欠となっている。

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