著者
中原 勝儼
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.492-497, 1989-10-20 (Released:2017-07-13)

すべての分野がそうであるように, 化学でもその内容を伝えるのには必要な専門用語がある。現在我々が普通に使っている化学用語あるいは物質名は, いつのころから使われるようになったのであろうか。日本の現在の化学の出発点が, 江戸時代末期から明治初期にかけてのヨーロッパの化学の導入, 理解である以上, 当時の用語を現在と比べてみるのも興味あることといえよう。その間の変遷はいろいろあるにしても, 当時用いられていたものがそのまま現在まで残っているものもある。しかしその下地のなかった当時, はじめて訳語をきめなければならなかった先人たちの苦労はいかばかりであったろうか。

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@tizuemon jstageにも舎密開宗他の表現例がのっているようです https://t.co/X1RYb40z71

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