著者
萩原 俊紀
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.59, no.10, pp.510-513, 2011-10-20 (Released:2017-06-30)
参考文献数
6

クメン法は開発されて半世紀以上が経った今でもフェノールの工業的合成方法の主流となっている優れた反応である。高校の教科書にも必ず記載されているが,その反応機構についてはまったく触れられていない。それはこの反応がプロピレンとベンゼンの求電子置換反応,ラジカル連鎖機構によるクメンの空気酸化,アニオン転位を伴うクメンヒドロペルオキシドの酸分解などを含む,高校の有機化学の範囲をはるかに超えた複雑な機構で進行しているためである。本講座では有機化学の基本となる電子と結合の関係から始まって,クメン法の反応機構をできるだけ平易に解説する。

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@pkMoRcyFYIiUVHa 参考になりそうなもん引っ張ってきた https://t.co/OEiLs4mvRf
クメン法、安価な石油成分からフェノールとアセトンを同時召喚できるので有用 高校だと(反応の知識が無いせいで)暗記するしかないけど 大学で有機やってから見ると新たな発見が https://t.co/N5u74eluit
@batspi_niconico 複素環は転移の中間体 (or遷移状態)です。カルボカチオン転移と同じく、電子不足原子に電子豊富な部分が転移してくるタイプの反応で、高校レベルでは難しすぎるのに、何故か数十年以上も高校の教科書に載ってる不思議な反応。 クメン法の反応機構は↓が詳しいです。 https://t.co/aF0gBgnfPq

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