著者
和田 哲也 関澤 愛
出版者
Japan Association for Fire Science and Engineering
雑誌
日本火災学会論文集 (ISSN:05460794)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.31-40, 2016 (Released:2018-02-09)
参考文献数
6
被引用文献数
1

高層ビルで大規模火災が発生した場合には,原則として全館避難が必要とされる。その全館避難の手法は,一斉避難と順次避難の二通りに大別される。 本研究では,高層ビルの避難誘導計画担当者および避難訓練参加者を対象に全館避難に関する二つのアンケート調査を実施した。その結果,避難階段内の混雑軽減および避難者の心理的負荷軽減の観点から,順次避難は一斉避難よりも有用な避難手法であることがわかった。また,高層ビルで順次避難を実施する際の避難フェーズ毎の最適な待機時間および避難対象階を算出する手法を開発した。この手法により,階段内の混雑を軽減できるばかりでなく,火災危険の高い階にいる在館者を優先的に避難させることができる。

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