著者
泉 仁 森澤 豊 村松 由崇 岩堀 裕介
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.399-403, 2018 (Released:2018-09-03)
参考文献数
14

上腕二頭筋長頭腱(以下長頭腱)は肩の疼痛源の一つであるが,長頭腱の痛みが肩肘の運動機能に及ぼす影響については不明な点が多い.本研究の目的は,長頭腱由来の痛みが肩外転・肘屈曲筋力に及ぼす影響を明らかにすることである.健常成人男性14人を対象とし,1mEq/mlの高張食塩水0.4mlを結節間溝内の長頭腱に注射して一時的な疼痛状態を作った.注射前後で肩外転・肘屈曲の等尺性最大収縮筋力を比較した.注射後の痛みVASの最大値は6.6[4.3-7.2]cm(中央値[四分位範囲])であった.肩外転筋力は注射前の71±5 %に,肘屈曲筋力は69±4 %に有意に低下した.構造的,生体力学的異常がないにもかかわらず,長頭腱由来の痛みは肩外転・肘屈曲筋力を約30%低下させた.本研究は長頭腱の痛みが肩肘の運動機能に及ぼす影響の重要性および痛みのために腱切除術や固定術を行うことの妥当性,有効性を示唆している.

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【二頭筋腱由来の疼痛】 二頭筋腱への高張食塩水注射により、肩前面に加え外側と後面に疼痛が発生。 臨床でも肩外側痛を認めることは多い。 当該組織への侵害刺激により支配神経領域の関連痛が生じる可能性。 疼痛解釈では忘れてはならない、是非参考に。 #理学療法士 https://t.co/C69pAMNtM7

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