著者
増田 隆昌 泉 仁美 石川 大仁 瀧本 陽介 積 志保子 堀田 拓哉 大滝 尋美 荒木 雄介 渡辺 陽介 大澤 俊彦
出版者
一般社団法人 日本臨床栄養協会
雑誌
ニュー・ダイエット・セラピー (ISSN:09107258)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.3-10, 2021 (Released:2022-01-01)
参考文献数
15

To prevent hypertension, which can cause various diseases, it is important to improve lifestyle habits such as eating habits. Bananas are rich in GABA, which has been reported to have hypotensive and stress-relieving effects. To evaluate the effects of long-term banana intake on blood pressure, defecation, and mental state, a randomized, parallel-group clinical trial was conducted. 78 Japanese with high blood pressure took either of the two bananas with different GABA contents for 4 weeks or did not take bananas. As a result, systolic blood pressure was significantly lower in both banana intake groups after ingestion compared with before ingestion. In addition, the number of bowel movements, the number of days of bowel movements, and the amount of bowel movements significantly increased. Significant improvements in the subjective questionnaires "fatigue" and "tension" were also observed. These results suggest that banana intake may have the effect of lowering blood pressure, promoting defecation, and improving mental state.
著者
泉 仁 森澤 豊 村松 由崇 岩堀 裕介
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.399-403, 2018 (Released:2018-09-03)
参考文献数
14

上腕二頭筋長頭腱(以下長頭腱)は肩の疼痛源の一つであるが,長頭腱の痛みが肩肘の運動機能に及ぼす影響については不明な点が多い.本研究の目的は,長頭腱由来の痛みが肩外転・肘屈曲筋力に及ぼす影響を明らかにすることである.健常成人男性14人を対象とし,1mEq/mlの高張食塩水0.4mlを結節間溝内の長頭腱に注射して一時的な疼痛状態を作った.注射前後で肩外転・肘屈曲の等尺性最大収縮筋力を比較した.注射後の痛みVASの最大値は6.6[4.3-7.2]cm(中央値[四分位範囲])であった.肩外転筋力は注射前の71±5 %に,肘屈曲筋力は69±4 %に有意に低下した.構造的,生体力学的異常がないにもかかわらず,長頭腱由来の痛みは肩外転・肘屈曲筋力を約30%低下させた.本研究は長頭腱の痛みが肩肘の運動機能に及ぼす影響の重要性および痛みのために腱切除術や固定術を行うことの妥当性,有効性を示唆している.
著者
堀 成夫 飯泉 仁
出版者
水産庁北海道区水産研究所
雑誌
北海道区水産研究所研究報告 (ISSN:05132541)
巻号頁・発行日
no.61, pp.27-53, 1997-03
被引用文献数
1

忍路湾の潮間帯~水深5m付近における底生生物相調査の過程で、以下の13種のトウガタガイ科貝類が採集された。Odostomia desimana Dall and Bartsch, 1906クチキレガイモドキ、O. tenera A. Adams, 1860スカシクチキレガイモドキ、O. cf. kizakiensis Yokoyama, 1922, O. cf. toneana Yokoyama, 1922, Chrysallida pseudalveata Nomura, 1936ムシロイトカケクチキレガイ、C. ultralaeta (Nomura, 1936)カワリイトカケギリガイ、Miralda scitula (A. Adams, 1860)ハチマキクチキレガイ(新称)、M. neofelixoides (Nomura, 1936)トウダカチリメンクチキレガイ、Phasianema lirata (A. Adams, 1860)ツトクチキレガイ、Turbonilla yoritomoi Nomura, 1938イソイトカケギリガイ、Cingulina cingulata (Dunker, 1860)ヨコイトカケギリガイ、C. terebra (Dunker, 1860)ヨコイトカケギリガイダマシ、Syrnola taeniata (A. Adams, 1863)スジイリクリムシクチキレガイ。これらの内、コイトカケギリガイ以外は北海道新記録種である。また、各種の生物地理学的見地から、忍路湾潮間帯付近のトウガタガイ類相が主に温帯性種から構成され、わずかに北方系および熱帯性種が混在していることが分かった。
著者
萩 浩司 牧川 方昭 飯泉 仁美
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.95, no.291, pp.1-8, 1995-10-13
被引用文献数
1

本研究は生体内にコンピュータならびに計測回路などの,生体内信号の直接計測に必要な一切の要素を埋め込むことを最終目標とし,今回はこのような体内コンピュータ実現に不可欠な要素である皮膚を介した情報通信の方法,電力供給の方法について検討を行った.体内と体外のコンピュータ間の経皮ディジタル通信は赤外線を用いたシリアル通信を検討し,皮下に赤外発光ダイオードおよび受光センサを埋め込むことにより体内・体外間の双方向ディジタル通信が可能であることが明らかとなった.また経皮的電力供紿に関しては皮膚表面に一種のトランスを形成することにより実現できることが確認された.
著者
萩 浩司 牧川 方昭 飯泉 仁美
出版者
一般社団法人 日本生体医工学会
雑誌
医用電子と生体工学 (ISSN:00213292)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.334-342, 1995 (Released:2011-10-14)
参考文献数
19

In this study we have developed a transcutaneous digital communication technique by using Pulse-Code-Modulated (PCM) infrared rays. The communication protocol examined here is serial, asynchronous and half duplex. The electric power should be considered for a computer system implanted inside the body, because it is driven by batteries and the power is insufficient. Its size should also be miniaturized as small as possible. Therefore the following methods were adopted here; the weak infrared rays emitted inside the body were received by a high sensitive avalanche photodiode; the infrared rays of high brightness was used to send data into inside of the body; and the digital data were converted into an optical signal after the pulse-code-modulation (PCM). This modulation yields some advantages; 1) absorbing the response delay of the photosensor, 2) intensifying infrared rays luminescence outside body and 3) saving the electric power on the luminescence inside body. Some communication experiments were done by using pork with the skin; the communication speed was 9600 baud from inside to outside and 1200 baud in the opposite direction, 15 infrared LEDs were set for outside of the body, 4 for inside, three nickel hydride batteries of 1200mAh were used for an electric power inside the body. As a result, a stable bi-directional digital communication was realized through the skin and the pork of about 9cm and it could continue to operate for about 19 hours.
著者
小谷野 康子 宮本 真巳 森 真喜子 立石 彩美 小泉 仁子
出版者
順天堂大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究の目的は、精神科外来デイナイトケアにおける感情活用能力促進プログラムの有効性を明らかにすることである。弁証法的アプローチを用いた当該プログラムに衝動性コントロールの目的で1年以上参加している患者1事例にインタビューを実施して介入後の変化についてグラウンデット・セオリー・アプローチを用いて質的帰納的に分析した。当該プログラムは、患者の感情制御、思考の修正、行動の変化に貢献していた。その結果、患者は社会での新しい役割に関与し、健康的で現実的な生活を模索する新たな生き方を獲得していた。
著者
二宮 彩子 増田 敦子 小泉 仁子
出版者
東京医科歯科大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2004

平均年齢67歳の高齢者27名(男性14名女性13名)に対して、ベッド及び和式布団から起き上がる際の血圧変動について検討を行った。tilt-up試験のように受動的な起立ではなく、圧受容器反射の違いを考慮し日常生活で行われる能動的な起立方法を用いて、仰臥位から立位への姿勢変換時における血圧データを収集した。起立直後の血圧最低値からその後血圧が上昇をする態様を観察した結果、血圧の最低値に対する最高値の割合は、ベッドの場合125%、和式布団の場合134%であった(収縮期血圧)。同じく拡張期血圧においては、ベッドでは108%、和式布団では120%の上昇が見られた。拡張期血圧、収縮期血圧それぞれにおいて、ベッドと和式布団との間で上昇率に有意差が認められた。このことは和式布団からの起き上がりはベッドの場合に比べて、血圧の変動が大きいことを示唆していると思われる。脈圧に関しては、収縮期血圧の変動が拡張期血圧の変動に比して大きいため、起立直後一時的に安静時の約4割にまで減少していた。主観的なめまい、ふらつき感、浮遊感などの症状についての訴えは、ベッドからの起き上がり時で約1割、和式布団からの場合では約2割の者に見られた。特筆すべきことは本人にその自覚がなくても足元がふらついている者が2名、布団からの起き上がり時にみられたことである。ベッドの場合には一度、マットレスの縁で端座位の姿勢を保持することによって、上体を起こす際の静脈還流量減少が和式布団の場合に比べて少なく、同時に足腰への負担も軽減されること等から、布団からの起き上がりよりも身体にかかる負担が少なくてすむと考えられる。一方、和式布団での仰臥位から立位への姿勢変換時には、今回の研究結果からもわかるように血圧の変動がベッドに比べて大きい為、めまいやふらつきによる転倒の予防に十分配慮して立ち上がる必要がある。
著者
今泉 仁美 伊藤 貴之
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.43-50, 2008 (Released:2009-08-12)
参考文献数
12

我々は3次元コンピュータグラフィクスのための新しい形状モデリングシステムIGELを提案する.IGELは発泡スチロール等の加工に用いるヒートカッターを模することで,直感的な3次元形状モデリングを実現するものである.IGELはスケッチ入力によってヒートカッターと同等な操作を実現する.スケッチ入力には2次元モードと3次元モードがあり,ユーザは2つのモードを自由に切り替えられる.2次元モードは,ヒートカッターの電熱線の形状を自由に設計するものである.3次元モードは,電熱線を用いて発泡スチロールを切るためのものである.我々の実装では,発泡スチロールの表面形状を三角形メッシュで表現し,電熱線の軌跡が描く曲面との交差処理によってその三角形メッシュを加工するものである.本論文では,IGELの処理手順と3次元形状加工例を示し,今後の展望を議論する.
著者
天貝 静 江守 陽子 村井 文江 小泉 仁子
出版者
日本母性衛生学会
雑誌
母性衛生 (ISSN:03881512)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.387-395, 2014-07

本研究は社会経済的地位と,妊娠週数33〜37週にある女性の抑うつあるいは人生満足度との関連について明らかにすることを目的とした。地域の中核病院である一施設において, 225名の妊婦に対し,抑うつと人生満足度に関する自記式質問票を配布した。また,産褥2〜4日に,妊娠期の調査に回答した女性のうちの192名に面接を行い,社会経済的地位について調査した。最終分析数は153件であった。その結果,研究対象者の年齢は20歳代が多く,学歴は夫婦とも高くなく,拡大家族が多かった。これらは調査施設周辺の地域の特徴を反映したものと思われる。さらに,女性を人生満足度得点と社会経済的地位で比較を行ったところ,人生満足度得点はパートナーの学歴と関連があった。妊娠中の抑うつ感情では,抑うつ傾向のある女性は抑うつ傾向のない女性より経済的困難感を自覚し,パートナーの学歴と年収が低かった。一方,女性が経済的困難感を自覚するとき,妊娠中に抑うつである確率は4.611倍(p=0.015, [1.341, 15.850]),パートナーの雇用形態が正規雇用のときは,抑うつである確立は0.099倍(p=0.001, [0.016, 0.631])となることが示された。よって,医療者が周産期にある女性の社会経済的地位と健康との関係に注目する意義は大きいと考える。
著者
阿漕 孝治 泉 仁 岡上 裕介 池内 昌彦
出版者
日本疼痛学会
雑誌
PAIN RESEARCH (ISSN:09158588)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.197-202, 2016-12-26 (Released:2017-01-27)
参考文献数
11

Knee pain is a major source of disability in patients with knee osteoarthritis (OA). Although the mechanism of OA progression has been well documented, pain pathophysiology is largely unknown. Recent accumulating clinical evidence indicates that subchondral bone marrow lesions (BMLs) detected on MRI in knee OA are strongly associated with intense pain. In this review we describes bone pain in knee osteoarthritis clarified by our basic and clinical studies.In basic studies, we clarified nociceptive phenotype alterations of subchondral bone afferents of the distal femur in mono–iodoacetate (MIA)–induced OA rats. Two different retrograde tracers were separately injected into the knee joint cavity and the subchondral bone to identify synovium and subchondral bone afferents. OA caused an up–regulation of calcitonin gene–related peptide (CGRP) and tyrosine receptor kinase A (TrkA) in both synovium and subchondral bone afferents. CGRP and TrkA expression in subchondral bone afferents gradually increased over 6 weeks. Furthermore, up–regulation of CGRP and TrkA in subchondral bone afferents displayed a strong correlation with the subchondral bone damage score. Up–regulation of CGRP and TrkA in subchondral bone afferents correlated with subchondral bone damage, suggesting that subchondral bone is a therapeutic target, especially in the case of advanced stage knee OA.In clinical studies, we clarified the association of subchondral BMLs with pain in medial compartment knee osteoarthritis. Total BMLs size were significantly correlated with walking pain (Spearman’s r=0.59, p<0.01). As a result of the multi regression analysis, subchondral BMLs became a factor of walking knee pain in the case of advanced stage knee OA (Regression coefficient = 0.75, p<0.01). Subchondral BMLs are potentially therapeutic targets to treat pain associated with subchondral bone in knee osteoarthritis.In conclusion, subchondral bone, in itself, is a therapeutic target, especially in the case of advanced stage knee OA. In particular, BMLs are potentially therapeutic targets to treat joint pain associated with the subchondral bone in OA.
著者
小泉 仁子 太田 奈美 宮本 眞巳
出版者
順天堂大学
雑誌
医療看護研究 (ISSN:13498630)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.64-71, 2008-03

《目的》本研究では,助産実習における体験を明らかにし,助産師としての職業アイデンティティ形成を促す実習のあり方を検討するための根拠となる資料を得ることを目的とした。《方法》関東地方の4年制大学で助産選択をし,助産実習を行った学生のうち,本研究の趣旨を説明し協力の同意が得られた8名を対象とし,半構成的面接とフェイスシートとしての質問紙調査を実施した。実習中の体験に焦点を当てて検討するため,学生の抱いた感情に注目し分析を行った。《倫理的配慮》順天堂大学医療看護学部研究等倫理委員会の承認を得た。《結果》1.助産師の志望動機は,【肯定的感情】と【なりたい自分】という2つのカテゴリーにまとめられた。2.助産実習の体験に焦点を当てて検討するため,学生の抱いた感情に注目し分析を行い,1)否定的感情を伴う体験は,【助産実習の現実についていけないという思い】と【助産実習を乗り越えられないかもしれないという思い】という2つのカテゴリーを抽出した。2)肯定的感情を伴う体験は,【助産実習を支えてもらっている思い】と【助産師としてやっていこうという思い】という2つのカテゴリーを抽出した。《まとめ》助産師としての職業アイデンティティは,体験と共に形成されていくこと,否定的感情を伴う体験も適切な支援で肯定的感情に転化すること,リアリティショックの強弱とその立ち直りの過程に助産師としての職業アイデンティティ形成のポイントがあることが示唆された。
著者
飯泉 仁
出版者
東京大学
雑誌
東京大学海洋研究所大槌臨海研究センター研究報告 (ISSN:13448420)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.59-60, 2002-03-29

平成12年度共同利用研究集会「北海道, 東北沿岸の海草藻場ワークショップ」(2001年3月7日~9日, 研究代表者:相澤啓子)講演要旨Workshop of the studies on the seagrass beds in Hokkaido and Tohoku areas(Abstracts of scientific symposia held at Otsuchi Marine Research Center in 2000)
著者
向井 宏 岸 道郎 波多野 隆介 飯泉 仁
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2002

北海道東部厚岸町を中心とした別寒辺牛川・厚岸湖・厚岸湾という一連の水系において、集水域全体における陸から沿岸域への生元素物質の流入、とくに農業(畜産業)生態系から流出する窒素化合物が沿岸の海草藻場やカキ・アサリを中心とした沿岸生産におよぼす影響を以下のような面から研究した。GISによる集水域の利用形態区分。集水域の土地利用形態が河川水質におよぼす影響とその評価。3河川河口部における定常状態での年間出水量および栄養塩濃度の測定。3河川河口部における降雨時の出水量および栄養塩濃度の測定。厚岸湖内における水温、塩分、栄養塩濃度、クロロフィルの毎月観測による窒素の分布と生態系への取り込みの推定。厚岸湖における堆積物の年代測定と有機物堆積速度の推定。厚岸湖における海草による窒素吸収速度の推定。河川における水草による窒素吸収速度の推定。実験によるアサリの物質取り込み量の推定。底生および付着珪藻類のアサリ・カキの餌への貢献の評価。航空写真に基づく厚岸湖アマモ場の歴史的変遷。安定同位体を用いた厚岸湖の食物網の把握。数値シミュレーションによる生態系モデルの構築とその検証。その結果、厚岸湖の生態系の高い生産性は、陸上からの常時の適度な栄養塩の流入と、沿岸域に成立しているアマモ場の高生産性に依存しており、大雨時に供給される大量の栄養塩は、ほとんど沿岸域の生産に寄与していないことが明らかになった。そのような大雨時の一気の流出を抑え、常時の栄養塩を含んだ水の供給に、森林や湿原の存在がきわめて重要であることも示唆された。