著者
柳田 眞有 大野 洋一 山上 徹也
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.141-147, 2015-05-01 (Released:2015-06-24)
参考文献数
17
被引用文献数
1 2

背景・目的:簡便に実施でき, 要介護状態に陥ることの予防に有用な姿勢評価法を検討した.対象と方法:地域在住の健常高齢者42名を対象に, (1)円背指数, (2)occiput-to-wall distance (OWD), (3)観察による姿勢評価の3つの簡易姿勢評価と, 身体・生活状況のアンケートを実施した.結 果:各姿勢評価は相互に軽~中等度の有意な相関を認めた ((1)-(2) : ρ=0.527, p=0.000, (2)-(3) : ρ=0.315, p=0.042, (1)-(3) : ρ=0.416, p=0.006). アンケートの「整形疾患」,「骨粗鬆症」の該当者は非該当者と比較して各姿勢評価で有意に後弯が強いことを示す値であった. 一方「痛み・しびれ・こり」,「転倒不安感」の該当者は非該当者と比較してOWDでのみ有意に後弯が強いことを示す値であった.結 語:OWDは, 簡便で, 痛みや転倒不安感等の生活障害と関係するため, 要介護状態に陥ることの予防に有用な姿勢評価法である可能性が示された.

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

"「occiput-to-wall distance(OWD)」外眼角と耳介上部を結ぶ線が床と平行となるよう頭頸部中間位とし、踵を壁につけた状態で、壁と後頭部の最突出部との距離を計測する。値が大きいほど後弯が強いことを示し、壁に後頭部が接しない場合は、椎骨骨折の存在が疑われる" https://t.co/FbRJSiHK7H

収集済み URL リスト