著者
西平 直
出版者
一般社団法人 日本教育学会
雑誌
教育学研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.86, no.4, pp.473-484, 2019 (Released:2020-06-12)
参考文献数
41

「修養」は翻訳語ではない。しかし江戸期から一貫して使われてきた言葉でもない。明治期の修養論だけ見ているとその「厚み」が見えない。本稿は江戸期と明治期を共時的に構造化する。加えて、欧米語の翻訳、とりわけcultivationに注目し、その周辺領域を検討する。論点は、1)政治との関連、2)道徳との関連、3)養生との差異、4)修行との差異、5)稽古との差異。「非」近代の営みを近代教育のカテゴリーに回収しないための手掛かりを翻訳の「ズレ」に見る。翻訳の中で理解される日本特有の教育的伝統を見る試みである。

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