著者
下島 裕美 蒲生 忍
出版者
杏林医学会
雑誌
杏林医学会雑誌 (ISSN:03685829)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.2-7, 2009 (Released:2009-09-11)
参考文献数
26
被引用文献数
1

本稿では,ワシントン大学のマコーミック博士が杏林大学において実施したGuided Death Experienceという課題を紹介する。GDEはワシントン州の大学や病院,ホスピス等で広く実施されている課題である。まず五色のカードを5枚ずつ計25枚用意し,1枚のカードに1つずつ「大切なもの」「大切な人」「大切な場所」「大切な目標」「普段大切にしている出来事」を記入する。そして「あなた」が死にゆく物語を聞きながら大切なものが記されたカードを投げることにより,死にゆく過程における喪失を疑似体験するものである。本稿では,これまでとは異なる時間的展望への気づき,本当に大切なものへの気づき,他者との関係性の中に織り込まれた自己への気づきという視点からGDEのデス・エデュケーションとしての可能性を考察する。医療系の専門教育においては,死にゆく過程における患者やその家族へのサポート意識の高まりとともに,燃え尽き症候群から医療関係者の心を守るという役割も期待される。

言及状況

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[論文][research][medical] デス・エデュケーションっていう分野もあるのか…。

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参考文献 https://t.co/VGb9Amag5z
死への擬似体験ゲームってのがなかなかに面白そう
@j_enju 先日、死の疑似体験ワークをしました。死に向かう時には如何に名誉や地位などが心もとないものか、最後に大切なものは何か、参加者がそれぞれ発見しました。逆に病気末期の参加者は執着がなく、あっさりしていました。死ぬ間際になって気付くのかもしれませんね。https://t.co/gYki48Odnf

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