著者
酒井 崇匡
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.22-41, 2017-06-30 (Released:2020-03-10)
参考文献数
20

近年,急速な技術革新や超高齢化などの人口動態的課題の顕在化に伴い,日本の未来予測に注目が集まっている。一方,そのようなマクロ環境の変化の下で,生活者の価値観は今後,どのように変化し,それが具体的にどのようなライフスタイルや街の風景を生むのだろうか。本研究では,特にBtoCビジネスを展開する企業の中長期的なマーケティング戦略立案への活用を目的として,2025年から2030年前後の生活者の価値観変化およびそれに基づく街のシナリオと具体的な生活風景の導出を行った。シナリオ・プランニングの手法に基づきつつ,未来の分岐軸として生活者の価値観変化を設定する試みを行い,あける(≒解放する),しめる(≒集約する)という相反する方向を持った,街の中の「生活空間」と「人間空間」という2つの軸を導出した。また,それらを掛け合わせた未来の街のシナリオとして,「鍵のないまち」,「住所のないまち」,「壁のないまち」,「窓のないまち」の4つの街の姿と,そこに生まれる100の具体的なライフスタイル・風景を導出した。

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マーケティング学会の古川会長「マーケティングジャーナルの博報堂・酒井さんの論文にある「壁のない街」は、まさに今の世の中を示唆してる。とにかく読んでみて下さい」 わたしも改めて読んでみたけど、「予言の書」的に当たっている… #いまマーケティングができること https://t.co/jsNi2ZuL7B https://t.co/UmoMP30ubx

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