著者
池住 洋平
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.107, no.7, pp.1385-1390, 2018-07-10 (Released:2019-07-10)
参考文献数
10
被引用文献数
1

近年,胎児期及び出生後の生活環境が成人期における生活習慣病発症に関与するというdevelopmental origins of health and disease(DOHaD)仮説が提唱され,多くの疫学研究,動物実験等から,その妥当性が認識されるようになった.我々は,腎生検にて巣状分節性糸球体硬化症(focal segmental glomerulosclerosis:FSGS)と診断された患児の多くが低出生体重であることを見出し,さらに,これらの患児では,腎における糸球体肥大や密度の減少等がみられることを報告した.このような低出生体重児に生じる臓器障害機序は,腎疾患にとどまらず,さまざまな成人疾患の病態に関わると考えられ,低出生体重を成人期疾患の発症を予測する1つのパラメータとしてとらえ,低出生体重児を生じる要因の改善とともに,生活環境の改善を通じた予防策を講じる必要があると考えられる.

言及状況

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@kanbe0926_ 腎臓でも似たような事が言われています。低出生児では生まれつきネフロン数が少ない為、1つ1つのネフロンが過剰濾過をきたし、FSGSのような病態をきたす事が言われています。 若年者が蛋白尿精査で来た際に重要な問診事項の1つでもあります。 https://t.co/cDrSKfCRHi

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