著者
清水 唯一朗
出版者
日本政治学会
雑誌
年報政治学 (ISSN:05494192)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.2_13-2_36, 2016 (Released:2019-12-10)
参考文献数
24

日本の選挙区制度は, 1889年の小選挙区制にはじまり, 大→小→中→大→中選挙区制と転変を経て, 今日, 小選挙区比例代表並立制に到達している。 他方, 個別の選挙区割りは, 明治以来, 相応の連続性をもって現代に維持されている。選挙区を空間的な政治制度として捉え, その歴史的展開を論じることは日本の選挙制度を理解する上で欠かせない作業となろう。よって本稿では, 選挙区を空間的政治制度として捉える第一歩としてその始点となる1889年の選挙区がどのような考えのもとでどう線引きされたのかを, 当時の議論から明らかにする。そこでは内閣, 内務省, 府県知事だけが策定に関与した結果, 選挙事務の実施という行政的な側面と, 選挙を安定的に運営すべく旧藩域を極力維持する方法が取られた。とりわけ旧秩序の継承と小選挙区の選択は選挙に対する地方名望家の影響力を残し, その後の立憲政治の展開に大きな制約を与えることとなった。

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