著者
大西 楠テア
出版者
日本政治学会
雑誌
年報政治学 (ISSN:05494192)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.2_42-2_59, 2022 (Released:2023-12-15)
参考文献数
39

北ドイツ連邦およびドイツ帝国において、外交権は連邦に一元化されず、部分的に邦の外交権が留保された。これはアメリカ合衆国やスイスが邦の外交活動を禁じたのと対照的である。 北ドイツ連邦憲法の成立過程においては、可能な限り邦の主権を維持する形式での統一が目指され、邦が外交使節を派遣し、接受する権限は廃止されなかった。そのため、北ドイツ連邦およびドイツ帝国においては連邦と邦の複線的な外交ルートが存在し続けた。 帝政期の国法学説においては、連邦と邦の外交の複層性をいかに理解すべきかという点が論点となり、連邦国家論との関連で広く議論された。特に連邦外交に抵触する邦の行為をいかに阻止するかが問題となるが、ほとんどの学説が帝国の監督権を認めている。

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PDFあり。 ⇒大西 楠テア 「連邦国家における邦(ラント)の外交権 ―北ドイツ連邦成立期の議論とドイツ帝国期の国法学説を中心として」 『年報政治学』73巻2号 (2022) https://t.co/im02fb7Lo9

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