- 著者
-
上田 敬太
- 出版者
- 日本神経心理学会
- 雑誌
- 神経心理学 (ISSN:09111085)
- 巻号頁・発行日
- vol.34, no.4, pp.266-273, 2018-12-25 (Released:2019-01-09)
- 参考文献数
- 11
行動,特に目的志向型の行動においては,目的の設定の段階で情動が大きく影響する.一方で情動そのものの処理過程は,少なくとも情動の知覚,認知,内的反応,表出の段階に分けることが可能で,それぞれの段階で生じる障害が,結果として行動に影響を及ぼすことが想定される.主なものとして,内的反応の障害であるapathy,表出の段階の障害であるpathological crying and laughingなどが挙げられ,本稿ではそのような障害について定義,想定される機序などを解説した.