著者
長濱 康弘
出版者
日本神経心理学会
雑誌
神経心理学 (ISSN:09111085)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.77-84, 2020-06-25 (Released:2020-07-09)
参考文献数
18

レビー小体型認知症(DLB)では初期でも約20%で誤認(人物誤認症状,場所誤認,“いない身内が居る”,TV徴候)がみられる.アルツハイマー病(AD)では病状が進行してから誤認がみられることが多く,DLBと同様の人物誤認症状の他,「相手が誰かわからない」など曖昧な誤認が多い.ADでは40%程度に被害妄想がみられ,物盗られ妄想が最も多く,見捨てられ妄想,嫉妬妄想などが続く.DLBでは約25%で妄想がみられ,ADと同様に物盗られ妄想,見捨てられ妄想,嫉妬妄想などが多い.ADでは物盗られ妄想の対象として生活環境の影響が伺える場合が多いが,DLBでは幻視や誤認で現れる相手が被害妄想の対象になることがある.DLBではADに比べて嫉妬妄想の頻度が高いが,幻視や誤認が誘因になって二次的に嫉妬妄想を形成しやすいと考えられる.

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表1 認知症でみられる誤認症状の分類 J-STAGE Articles - アルツハイマー病とレビー小体型認知症の誤認と妄想 https://t.co/GWLXGWZg9D

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