著者
福武 敏夫
出版者
日本神経心理学会
雑誌
神経心理学 (ISSN:09111085)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.191-200, 2021-09-25 (Released:2021-10-13)
参考文献数
23

ヒトは二足歩行により両手が自由になり,複雑な道具とジェスチャー,口頭言語を作り上げた.社会の発展と共に,書字がエジプト,中国,メソポタミアで独立に開始された.文字は経済と権威のために用いられ,情報の遠隔伝達を可能にした.日本に到った漢字は音と訓で読まれ,簡略形の平仮名と片仮名が造られた.現在までに漢字かな交じり文が標準的になり,複雑すぎるからと漢字廃止論が繰り返し叫ばれるも失敗した.それは,今の情報化社会では文字は打つものとなり,誰でも容易に文章を作成・拡散させうるからである.しかし,その容易さは「見かけだけの博識家」(プラトン)やフェイク政治家を生み出していることに注意が必要である.

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