著者
昆 隆
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.34, no.6, pp.23-32, 1985-06-10 (Released:2017-08-01)

「山月記」本文の叙述そのものから、「作品」としての、(辞書的)意義ならぬ(文脈的)意味を、読解しようとする試みである。基本線は、変身後の李徴が亡霊であること、その悲痛な独白自体が彼にとって未到の詩的達成を遂げていたこと、そして、鎮魂のあったこと、に在る。意識家李徴は変身による不幸の完成によって、無意識の裡に、感情の表現を得た-という逆説が、読み取られる。

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https://t.co/LQKwS63iHW 結局この手の読解は「他人を値踏み」しているのです。実社会で「値踏み」が蔓延ると、「生きづらい」世の中になるのです。文学の本来の目的とは真逆であり、学校では作品を読ませるだけにしたほうがよっぽどいいのです。 https://t.co/OSeWYZR2CX
https://t.co/LQKwS63iHW これに限らず大抵の『山月記』の「読解」には、「袁傪はいいやつ」という指摘がないのです。世の読解にはどうも他人視線しかないようなのですが、「自分から見た自分」でなければ「いいやつ」には思い至らないのです。

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