著者
山田 俊治
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.61, no.11, pp.2-11, 2012-11-10 (Released:2018-01-12)
被引用文献数
1

言文一致小説の成立は、同時代の表現が受容されて新たな文体を生成するという問題にとって欠かすことのできない課題である。口語体による書記言語の書物を実現した三遊亭円朝の速記本を受容することで、坪内逍遙以下によって通俗的な読み物を美術小説に転ずる努力がなされた。逍遙の傍観的な語り手の試みから、二葉亭四迷の同化表現による語り手の消去、山田美妙による修辞的な物語叙述などが試みられ、言文一致体小説は美術小説としての卓越性を獲得していった。そして、円朝速記本はその起源と見なされるようになるのである。

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三遊亭円朝と言文一致、というセットは、ポーとミステリ、みたいにハッキリした象徴的な起源として語られるぶん、話題としてはなんかこう……ついハッスルしてしまうんですよ https://t.co/0c0Ilk7dzy https://t.co/wHnQknHs9C

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