著者
倉田 容子
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.61, no.12, pp.34-44, 2012-12-10 (Released:2018-01-25)

本稿では、『悪魔の手毬唄』の物語構造を一九五〇年代後半の農村表象という文脈から照射し、パロディとして引用された『楢山節考』との批評的距離を検討した。『悪魔の手毬唄』には同時代の農村の「リアリティ」が織り込まれるとともに、「リアリティ」と手毬唄に代表されるフォークロアとの結節点において、戦前・戦後のそれぞれ異質な排除をめぐる暗闘が刻印されている。農村の封建的秩序を主なモティーフとしてきた金田一シリーズの転換を見定めつつ、〈戦後啓蒙〉の語りからも反動的なナショナリズムからも身をそらす『悪魔の手毬唄』の農村表象の位相を明らかにした。

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別垢の方で「こげなもんもあるぜよ」と教えていただきました。既にご存じの方もいらっしゃるとは思いますが。 https://t.co/eVlq63g0A4
@unio01 ですよね。 ちなみに、これはご存知ですかね。 関連ということで。 https://t.co/jCRgK5TcYv

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