著者
大森 翔子
出版者
公益財団法人 NIRA総合研究開発機構
雑誌
NIRAワーキングペーパー (ISSN:27582183)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.1-29, 2021-11-12 (Released:2022-10-19)

21世紀に入り、社会調査においてはインターネット調査が普及し、一般的な調査法の一つとなった。しかし、インターネット調査には「バイアス」があり、目標母集団との乖離が問題となる。こうした実態を明らかにするため、本プロジェクトでは、同一の質問項目によって構成される、無作為抽出に基づく面接調査と性別・年齢層で回収目標数を割り付けたインターネット調査を同時に実施し、国勢調査との共通項目と合わせて比較した。分析の結果、インターネット調査の回答者には一定の省力回答者が含まれ、国勢調査と比べて大都市居住者が多く、学歴も高いという特徴のほか、面接調査回答者と比べて外向性・協調性が低く、神経症的傾向が高いというパーソナリティの特性が分かった。一方、面接調査にも、国勢調査よりも「持ち家率」が高いといったバイアスがあり、無作為抽出に基づく調査結果を「正解」とするインターネット調査の補正には注意が必要なことが示唆される。

言及状況

外部データベース (DOI)

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・インターネット調査のサンプル特性 (NIRAワーキングペーパー, 2021 年 1 巻 p. 1-29)https://t.co/WMm4A8gLLV ・社会調査における投票率のバイアス (NIRAワーキングペーパー, 2022 年 5 巻 p. 1-17) https://t.co/yzeaxdBWaU

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