著者
友田 明美
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.345-351, 2011 (Released:2014-12-25)
参考文献数
22

児童虐待は, 日本の少子化社会の中でも近年増加の一途をたどっている. 小児期に様々な虐待経験のある被虐待者脳MRI形態の検討により, 虐待や育児放棄による幼少期母子関係の破綻 (愛着形成の障害) が社会性の発達障害を引き起こすこと, さらにその障害が脳の構造機能の変容に起因することが示唆された. 「性的虐待」では, 最初に目に映った情報を処理する脳の視覚野で脳の容積が減ったり, 「暴言虐待」では, コミュニケーション能力に重要な役割を持つ聴覚野で大脳白質髄鞘化が異常をきたしたりすることが明らかになった. 被虐待児に認められる “社会性発達障害” という観点から, こころに負った傷は容易には癒やされないことが予想される. 被虐待児たちの精神発達を慎重に見守ることの重要性を強調したい. しかしながら, 被虐待児たちの脳変成も多様な治療で改善される可能性があると考えられる.

言及状況

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参考文献 https://t.co/eUhuiKn5Ph
被虐待経験者は高次脳機能である情報 処理能力や認知力の障害を有していると考えられる.Endo ら は AD/HD と被虐待児が呈する解離の臨床症状が非常に酷似 していることを報告し,著者らも一連の問題を総称して「社 会性発達障害」… https://t.co/kKuU9G4Ghu
https://t.co/5dYTzN1zKF 児童虐待が脳に及ぼす影響 脳と発達 2011 ; 43 : 345 ― 351 友田 明美 先生 性的虐待を受けた時期(年齢)の違いによる被虐待者の局 所脳灰白質容積を多重回帰… https://t.co/nYlCwY5rwq
ミテルヨ(・ω☆): 児童虐待が脳に及ぼす影響 https://t.co/wtaq8Ea0jJ - https://t.co/wtaq8Ea0jJ
児童虐待が脳に及ぼす影響 —脳科学と子どもの発達, 行動— https://t.co/Doq5sxfMOL

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