- 著者
-
中川 栄二
- 出版者
- 一般社団法人 日本小児神経学会
- 雑誌
- 脳と発達 (ISSN:00290831)
- 巻号頁・発行日
- vol.51, no.2, pp.91-96, 2019 (Released:2019-05-08)
- 参考文献数
- 15
- 被引用文献数
-
1
2017年に国際抗てんかん連盟 (ILAE) の用語・分類委員会は, てんかん発作とてんかん分類に関する新たな提言を行った. てんかん発作型, てんかん病型, てんかん症候群の3段階でてんかんを分類診断し, 可能な限り病因診断を行い, てんかん発作のみならず併存症状を含めて包括的にてんかんを診断し治療すべきであることを提言した. 本邦では, ここ10年間で新規の抗てんかん薬が相次いで発売されるようになり, てんかん治療に用いられる薬剤は20種類を超えるが, 2006年以降に承認された新規抗てんかん薬が10剤を占めている. 小児のてんかん診療と治療は, 新規の抗てんかん薬などの最新のエビデンスや併存症状も勘案して生活の質の向上を目指して包括的に行う必要がある.