著者
髙梨 潤一
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.163-166, 2019 (Released:2019-05-08)
参考文献数
9

けいれん重積型 (二相性) 急性脳症 (AESD) は病態として興奮毒性が推定され, 最も頻度が高い脳症症候群である. 「分類不能」 群のなかで軽症例の一部はMR spectroscopyで一過性のグルタミン上昇を認め, 興奮毒性型急性脳症の軽症スペクトラム (MEEX) と推定される. AESDにMEEXを加えると興奮毒性型が半数以上と想定される. また, AESDとして典型的な経過をたどりながら, late seizures後に急激に脳浮腫に陥り予後不良な経過をたどる症例も存在する. 頭部外傷後 (abusive head traumaを含む) に, AESD類似の臨床経過・画像所見を呈する乳児症例 (TBIRD) もMR spectroscopyでグルタミンの一過性上昇が認められ興奮毒性の関与が疑われる.

言及状況

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#ヒゲジャーナル 2相性の経過を辿るAESDはけいれん重積と鑑別は難しい。興奮毒性による脳神経障害が主である。軽症であるMEEXや頭部外傷によるTBIRDも急性脳症の鑑別に挙げるべきだ。 興奮毒性型急性脳症スペクトラムの拡がりhttps://t.co/1LRuZsDOAS
乳児頭部外傷後 (虐待を含む) に, けいれん重積型二相性急性脳症類似の大脳白質のびまん性DWI高信号(bright tree)をみとめ、TBIRD(infantile traumatic brain injury with a biphasic clinical course and late reduced diffusion)とよぶ。φ(.. ) https://t.co/Z7Dg4wVvtk
興奮毒性型急性脳症って聞かないなって思ったんですけど、「グルタミン酸による興奮毒性」という病態に基づいた、けいれん重積型急性脳症などの小児急性脳症を新たに再編成する新しい疾患概念、って認識です。 https://t.co/33a5jInkes

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