著者
菊池 聡
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
日本心理学会大会発表論文集 日本心理学会第84回大会 (ISSN:24337609)
巻号頁・発行日
pp.PC-119, 2020-09-08 (Released:2021-12-08)

科学的な主張のように見えながら正当な科学としての要件を欠く疑似科学的は,医療・健康・教育・環境など幅広い領域でしばしば社会的な問題を引き起こしている。こうした中には,疑似科学ユーザーが,さまざまな「善意から」,よかれと思って使用や推奨を行い,批判を受け入れない態度が多く見られる(菊池,2012)。こうした無自覚の善意が,正当な科学知識の欠如と結びついて疑似科学を促進するという一般的な言説を検証するため,疑似科学信奉と,愛他的向社会的行動や科学リテラシーの関連について検討した。大学生325人(男171,女154)人に対して,疑似科学信奉尺度(超常・日常),超常信奉尺度,向社会的行動尺度,科学技術基礎リテラシー知識テストなどを実施した。その結果,性別や専攻を統制しても,疑似科学(超常)信奉は向社会的行動と正の関係が認められた。ただし,科学知識レベルと交互作用は見られなかった。また,一般的な超常信奉と向社会的行動の関連が見られ,疑似科学信奉においても超常的なスピリチュアルな要素が向社会行動に影響する可能性が推測された。

言及状況

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J-STAGE Articles - 疑似科学信奉と向社会的行動の関連性―素朴で善意の人が,疑似科学を信じるのだろうか― https://t.co/ONOjrCX17w

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