著者
柴田 侑秀
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
日本心理学会大会発表論文集 日本心理学会第85回大会 (ISSN:24337609)
巻号頁・発行日
pp.PE-003, 2021 (Released:2022-03-30)

従来の被害者非難研究には,どのような行為をもって被害者非難とみなすかが一貫していないという問題があった。また,先行研究で利用されている被害者非難尺度の多くは研究者が恣意的に考案したものであり,被害者非難の実態を反映しているとは言い難い。そこで本研究は,特定の性犯罪事件を報じるWeb上のニュース記事に付与されたコメントを対象としてテキスト分析を行い,被害者非難の実態を明らかにすることを目的とした。対象とした記事はとある自治体の女性議員が被害を訴えたもので,2019年11月と2020年12月に報道された。付与されたコメントは合計で約2500件だった。共起ネットワークを検討した結果,被害者の言動がコメントをした者にとって「普通」ではないとみなされると被害の訴えが疑われやすくなることが分かった。また,コーディングルールを用いた分析の結果,被害者の性的魅力に言及した非難や,被害者と精神疾患の関連をほのめかす非難が多く見られることも明らかになった。一方で,事件特有の文脈に依存するコメントも多く見られ,特定の事件の報道に対する反応から一般的な被害者非難の特徴を検討することの難しさも明らかになった。

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@segundonidao https://t.co/jxfOL3C60G これとかもうね。普通に草津町長に対する名誉毀損だろ。

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