著者
本多 樹 小林 亮太 中尾 敬
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
日本心理学会大会発表論文集 日本心理学会第85回大会 (ISSN:24337609)
巻号頁・発行日
pp.PM-027, 2021 (Released:2022-03-30)

身体内の生理状態に対する感覚のことを内受容感覚という。自身の内受容感覚にどの程度気づくことができると思うか(内受容感覚の気づき)や,正確に検出することができるか(内受容感覚の鋭敏さ)には個人差があることが知られており,この2つの個人差には関連がないことが報告されている。発表者らは内受容感覚の気づきを測定する尺度として日本語版BPQ-BA超短縮版を作成したが,内受容感覚の鋭敏さとの関連は未検討である。内受容感覚の気づきや鋭敏さには文化差があることが示されているため,本邦におけるこれら2つの指標間の関連は,海外における報告とは異なる可能性がある。そこで,日本人の大学生62名を対象に検討を行った。参加者は日本語版BPQ-BA超短縮版への回答と,内受容感覚の鋭敏さを測定する2つの課題(心拍カウント課題,心拍弁別課題)を実施した。その結果,心拍弁別課題の成績との関連においては弱い正の関連がある傾向が認められたものの(心拍カウント課題 rho=-0.07 p=.61;心拍弁別課題 rho=0.22, p<.10),内受容感覚の2つの指標間には関連がないという海外の報告と概ね一致した結果が認められた。

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