著者
石原 俊一
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
日本心理学会大会発表論文集 日本心理学会第85回大会 (ISSN:24337609)
巻号頁・発行日
pp.PR-001, 2021 (Released:2022-03-30)

本研究は,心身の健康にポジティブな影響があるアニマル・セラピーについて,実際に動物とのふれあう条件を設定し,自律神経系反応へのリラクセーション効果を実験的に検討した。犬愛着尺度が高得点の文教大学生28名を対象とし,犬とのふれあう犬条件14名と犬介在がない統制条件14名にランダムに割り当てた。生理指標として心拍数,低周波成分(LF成分),高周波成分(LF成分),パワー比であるLF/HF成分,収縮期血圧,拡張期血圧,心理指標として日本語版PANASをそれぞれ測定した。犬条件では,犬とのふれあいによって,LF成分およびLF/HF成分,が実験期で有意に上昇を示し,その後の回復期で有意な低下を示した。また,PANASのポジティブ感情尺度では実験期に上昇した。すなわち,生理指標では,実験期に交感神経が活性化し,そこから回復期にかけて低下することでリラクセーション効果が生じ,心理指標では,犬介在がポジティブ感情を有意にすることが認められた。犬条件において,犬介在によるリラクセーション効果・ポジティブ効果が認められた。

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