著者
神野 雄
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.140-153, 2017-11-01 (Released:2017-11-04)
参考文献数
22
被引用文献数
1 1

本研究の目的は恋愛関係での葛藤時に予測される行動を測定する架空の浮気場面への予測行動尺度Anticipated Behavior Scale for Imaginary Infidelity (ABSII)の作成とその信頼性・妥当性の検討であった。ABSIIの浮気場面として恋人と第三者のデート場面を設定し,現在恋愛関係にある大学生112名に質問紙調査を行った。探索的・確認的因子分析の結果,想定通りABSIIは「攻撃志向」「沈黙志向」「別れ志向」「対話志向」「ライバル志向」の5因子構造を示した。ストレッサーへの認知的評価,ストレス反応,嫉妬深さ,投資モデルとの関連から妥当性を検討すると葛藤状況を重要視する傾向と「攻撃志向」「対話志向」の正の関連,「沈黙志向」の負の関連,ストレス反応と「攻撃志向」「別れ志向」の正の関連,全般的な嫉妬深さと「攻撃志向」「ライバル志向」の正の関連,関係満足感と「対話志向」の正の関連,「別れ志向」との負の関連などが示され,尺度の構成概念的妥当性がおおむね確認された。

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