著者
小林 庸平 林 正義
出版者
日本財政学会
雑誌
財政研究 (ISSN:24363421)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.160-175, 2011 (Released:2022-07-15)
参考文献数
9

本稿では一般財源化と高齢化が就学援助に与える影響について検証を行う。就学援助の認定基準や給付内容の決定は市町村に委ねられているが,2004年度までは国庫補助が行われており,国の補助条件が一定の基準を提供していた。しかし,2005年度に準要保護者への就学援助に対する国庫補助が一般財源化され,就学援助が地方の財政状況に左右されやすくなったと考えられる。また,高齢化については先行研究が示すように,高齢者が多数を占めることを意味するから,高齢化は子ども向けの支出を減少させる可能性がある。本稿では,新入学児童・生徒1人当たり年間援助額や就学援助率,準要保護率については,財政力の多寡が就学援助に影響を与え,とりわけ,新入学児童・生徒1人当たり年間援助額については一般財源化後に財政状況が与える影響が増大したことが示される。さらに高齢化の進展は新入学児童・生徒1人当たり年間援助額や就学援助受給率を減少させることが示される。

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