著者
友信 綾 國田 広規 伊藤 有希 間嶋 満
出版者
公益社団法人 埼玉県理学療法士会
雑誌
理学療法 - 臨床・研究・教育 (ISSN:1880893X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.51-54, 2011 (Released:2011-03-30)
参考文献数
5

脊髄性筋萎縮症(SMA)Ⅰ型では乳児期から重度の肢体不自由を呈するが,一般的に知的な遅れはあっても軽度とされており,福祉機器を使用することでコミュニケーション手段の獲得に至っている例も多い。本報告では当院入院中のSMAⅠ型児に対してコミュニケーション手段の獲得を最終目標に,導入期としてスイッチを工夫して玩具を操作できる環境を設定し,その理解度を4段階で評価した。その結果,児は現在機器操作の理解度の3段階目にあたり,スイッチと機器との一次的な繋がりは理解しているものの,完全な理解には至っていないということが解った。その背景として,子どもがコミュニケーション能力を発達させていく過程で必要な相互作用が,本児には与えられる機会が極めて乏しかったという経緯が示唆された。今回の結果を受けコミュニケーション手段獲得に向けた今後の課題として,フィードバックを強化した機器操作練習と,児からの働きかけを汲み取り,応答し,さらなる表出を促していくような取り組みの必要性を検証することができた。

言及状況

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脊髄性筋萎縮症の方に対して会話方法としてスイッチを使用した事例報告。 スイッチを使用して起こる反応を、児が理解できているかどうかも評価している。 このように1症例であっても、論文として形になっていると臨床的にもとても心強いです。 参考にさせていただきます。 https://t.co/h0Zx91rrJf

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