著者
大谷 正幸
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.95, no.1, pp.101-126, 2021 (Released:2021-09-30)

浅間社は富士信仰を行うための施設であるが、富士信仰の多様さに合わせてその形態や実際に祀る神はさまざまである。本論ではその諸相を提示し、最終的に、富士山―一次的に富士信仰を受容する大都市文化圏―二次的に受容して独自にローカルな信仰様式・習俗を創り出す文化圏近郊や富士山との中間地帯、という構造が富士山を挟んで東西にあるとする富士信仰の伝播と受容に関するモデルを考えたい。浅間社の諸相として、中世の城郭に浅間社が祀られた事例、富士信仰に因んだ可能性がある地名を中部地方各県から検索し、その中から「フジヅカ」に関する事例、「フジ」という名を持っていても富士信仰かわからない社の事例を挙げる。特に「フジヅカ」については研究史上その定義をめぐって議論があり、議論の有効性に対して疑問を持つ立場から考えてみたいと思う。

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ちゃんとした論文は、大谷正幸「失われた浅間社の痕跡 城郭と富士塚地名から富士信仰文化圏へ」(宗教研究』400号、2021年)をご参照ください。 https://t.co/8ynUyoNLO7
@chiba_chizu 稲毛浅間にそのような痕跡が考古的に出てくるといいのかなと思います。 ところで、もし「城と浅間社」に関心を持たれましたら、拙論「失われた浅間社の痕跡」(『宗教研究』400号、2021年)をご参照いただければ幸いです。 https://t.co/YHYtwOQrzP

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