著者
中島 理恵
出版者
一般社団法人 レギュラトリーサイエンス学会
雑誌
レギュラトリーサイエンス学会誌 (ISSN:21857113)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.81-89, 2017 (Released:2017-05-31)
参考文献数
14

製薬企業が行うプロモーションのなかには虚偽や誤解を招く表現を用いているものも存在する. このような状況は最終的には医薬品を使用する患者の不利益につながるため, 第3者による製薬企業の新薬プロモーション活動の監視制度の確立が求められている. 本研究では, 我が国における製薬企業の医薬品プロモーション活動の監視制度の在り方を検討するため, すでに製薬企業の医薬品プロモーションの監視活動を行っている米国FDA (Food and Drug Administration) の取り組みを例示するとともに, 米国における医薬品広告違反の実態をFDAから発行されたwarning letterとuntitled letterを参考にして分析した. FDAでは, 疾病専門領域ごとの担当審査官を設置し, 膨大で専門的なプロモーション資材を効率良くレビューしている. また, 医局や講演会といったFDAの目が届きにくい現場でのプロモーション違反対策として, 現場の医療従事者に向け, 教育と報告窓口の両方の側面をもつBad Ad Programの制度を提供している. 米国においては, 近年電子媒体での違反が増加しており, 今後はFacebookなどのソーシャルメディアからの情報の監視が重要となる.

言及状況

外部データベース (DOI)

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・ 違反の理由として10年間を通じて最も多くみら れたのはリスク情報や製 品情報の省略もしくは最小化)であった. ・最近10年間の医薬品広告で 違反が発見されたきっかけとして最も多いのは,FDA2253であった。 米国 FDA が行う製薬企業の 医薬品プロモーション活動監視制度 https://t.co/h5lGa5XiGw
【レギュラトリーサイエンス学会誌】 米国FDAが行う製薬企業の医薬品プロモーション活動監視制度 —日本における医薬品広告モニタリング制度の確立に向けて— https://t.co/veNrc0H8mb

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