著者
西川 光一
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.26, no.6, pp.355-362, 1987-12-15 (Released:2017-10-31)
被引用文献数
1

1986年11月1日深夜,スイス,バーゼル市の近郊のサンド社(S撒doz AG)で発生した倉庫火災は,死傷者はなかったものの,大量の消火水とともに流出した農薬等の化学薬品がライン(R騰ne)川に流入し,深刻な環境汚染をもたらし,流域の3箇国に影響を与え,国際的な問題となった, サンド社では,社会の批判と政府当局の改善勧告に応じ,経営の根幹にもかかわる大規模な安全対策を行い,多額の賠償請求にも対応しようとしている,欧州の化学工業も,環境対策への取組み姿勢の甘さが批判され,多額の公害防止投資を行うなど,深刻な影響を受けている, 事故の原因は,ベルリン・ブルーのシュリンク包装の際の過熱から,内容物のシュガ~バーニング(くすぶり)が起こったものを,規定通りの放置冷却を行わずにただちに倉庫へ搬入したことによる,蓄熱・自然発火であると発表された。過熱の原因は不明であるが,放冷という安全対策が守られなかったことから,管理者か作業者が作業規定をきちんと守っていれば起こり得なかった事故であったといえる.この事故の状況を述べ,教訓として,倉庫の安全対策と火災時の緊急対応等について考察する.

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