著者
川田 邦夫
出版者
公益社団法人 日本雪氷学会
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.131-136, 2009 (Released:2021-04-09)
参考文献数
14

高度1000 m 以上の山岳地では一般に風も強く, 地吹雪や降雪時には吹雪となることが多い. その結果として山岳地での積雪は再配分によることが多い.尾根状の地形の所での積雪は風上側が削られ,風下側に多く溜まる.また窪地には雪が多く堆積して,元の地形と大きく異なった表面形態となる. 標高が高い分だけ気温も低く, 強い風速下で積雪は変態と地吹雪によるパッキング, 及び深い積雪による荷重を受けて平地では見られない程硬い雪へと変質する. 山稜部に見られる雪庇というのは本来吹き溜まりの一種と考えられるが, ここに積雪地形という概念を用いて, 雪庇の形成過程を説明した. 風下側の元の地形が急崖であれば, 庇状に伸びた小さな雪庇ができ, 風下側の斜面が緩い場合には最初は吹き溜まり状の形態から前面が次第に急になり, 段差を持つ大型の雪庇を形成する. 巨大に成長する雪庇について, その形成過程を述べた.

言及状況

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@ashinowoto あとは、雪の大谷で有名な富山の室堂なんかもそうなんですが、「吹き溜まり」(地形等の影響で雪が集まってくるポイント)は特異な積雪になるみたいな話もありますよね… 関係する要素がかなり多そうで、なかなか理解が難しそうではあります https://t.co/nBP4BbPlEh

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