著者
三宅 恒夫
出版者
公益社団法人 日本雪氷学会
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.55-59, 1963 (Released:2009-09-04)
参考文献数
5
著者
渡辺 貫太郎
出版者
公益社団法人 日本雪氷学会
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.126-133, 1960 (Released:2010-05-07)
参考文献数
23
著者
田邊 章洋 志水 宏行
出版者
公益社団法人 日本雪氷学会
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.84, no.4, pp.297-308, 2022-07-15 (Released:2022-08-10)
参考文献数
41

雪崩の流動・停止プロセスの理解及び予測は防災上重要である.雪崩到達範囲を物理法則に基づき定量的に予測するために,数値シミュレーションを活用する動きが近年活発化している.それらの数値計算では,計算のコストや現象の再現性の観点から,三次元の流れを厚さ方向に平均化した二次元流として近似する理論(浅水流理論)に基づくモデルが主に用いられる.本稿では,浅水流理論に基づく雪崩動力学シミュレータの1つfaSavageHutterFOAMについて解説する.faSavageHutterFOAMは,高濃度粒子流(流れ型雪崩)の基礎方程式を解くオープンソース数値コードであり,OpenFOAMをプラットフォームとして開発された.本解説では,faSavageHutterFOAMの基礎方程式,ファイル構成,計算条件の設定方法,任意の地形上での雪崩計算の実行方法,地理情報システム(GIS)による数値計算結果の可視化方法について説明する.
著者
Wataru SHIGEYAMA(繁山航) Naoko NAGATSUKA(永塚尚子) Tomoyuki HOMMA(本間智之) Morimasa TAKATA(高田守昌) Kumiko GOTO-AZUMA(東久美子) Ilka WEIKUSAT Martyn R. DRURY Ernst-Jan N. KUIPER Ramona V. MATEIU Nobuhiko AZUMA(東信彦) Dorthe DAHL-JENSEN Sepp KIPFSTUHL
出版者
公益社団法人 日本雪氷学会
雑誌
Bulletin of Glaciological Research (ISSN:13453807)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.31-45, 2019 (Released:2019-12-17)
参考文献数
64
被引用文献数
4

Mass loss from ice sheets contributes to global sea level rise, and accelerated ice flow to the oceans is one of the major causes of rapid ice sheet mass loss. To understand flow dynamics of polar ice sheets, we need to understand deformation mechanisms of the polycrystalline ice in ice sheets. Laboratory experiments have shown that deformation of polycrystalline ice occurs largely by dislocation glide, which mainly depends on crystal orientation distribution. Grain size and impurities are also important factors that determine ice deformation mechanisms. Compared with ice formed during interglacial periods, ice formed during glacial periods, especially ice that forms cloudy bands, exhibits finer grain sizes and higher impurity concentrations. A previous report suggests the deformation rate of ice containing cloudy bands is higher than that of ice without cloudy bands. To examine the microstructures and deformation histories of ice in cloudy bands, we applied the electron backscatter diffraction (EBSD) technique to samples from the Greenland Ice Sheet using an environmental scanning electron microscope (ESEM) equipped with cold stages. Prior to the EBSD analysis, we optimised our ESEM/EBSD system and performed angular error assessment using artificial ice. In terms of c- and a-axis orientation distributions and grain orientation spread, we found little difference between samples taken from a cloudy band and those taken from an adjacent layer of clear ice. However, subgrain boundary density and orientation gradients were higher in the cloudy band, suggesting that there are more dislocations in the cloudy band than in the clear ice layer.
著者
若濱 五郎
出版者
公益社団法人 日本雪氷学会
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.79, no.6, pp.581-600, 2017 (Released:2023-03-01)
参考文献数
41

中谷宇吉郎先生は雪氷学の世界的な研究者である.天然雪の結晶の分類,人工雪の作成,種々の結晶形の生成条件など世界に先駆けた独創的な研究は,戦後発展した雲物理学,人工降雨,結晶成長などの基礎となった.中谷ダイヤグラムは現在も世界の科学者が結晶成長,形の物理の立場から研究されている.先生は更に積雪,凍土,着氷雪,霧など,寒冷地における自然現象と人間との関わり合いを総合的に研究する新分野「低温科学」を創始された.これは「雪氷寒冷圏の環境研究」の先駆けとなった.先生は実用研究も重視され,雪氷災害の軽減防除,水資源の調査などを広汎に行なった.戦後,先生はアメリカに招かれ,雪氷永久凍土研究所(SIPRE)の創設の指導をされる傍ら,念願の雪氷三部作(雪,積雪,氷)の完結を目指し,グリーンランドを舞台にして積雪の氷化過程,深層氷の物理研究を開始された.その途上,病に倒れられ,未完に終ったのは残念至極である.先生は寺田寅彦を師と仰ぎつつ,講演,文筆を通じて科学を一般に普及した.誰にも分かり易く面白く,かつ哲学や教訓も含む中谷独自の世界を展開した多数の随筆は,今も広く愛読されている.先生は今なお生きておられるのである.
著者
永井 裕人 田殿 武雄
出版者
公益社団法人 日本雪氷学会
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.43-61, 2017 (Released:2023-03-01)
参考文献数
65

人工衛星などを用いた宇宙からの地形測量は,近年まで様々な手法で行われてきた.得られた地形のデータはDEM(Digital Elevation Model)と呼ばれ,商用利用も拡大しており,氷河研究においても重要な基盤データの一つである.この解説では,光学ステレオ立体視および合成開口レーダを用いたDEM作成技術の発展を総括する.そして無償公開されている画素サイズ30mのDEM を日本国内の各種地形およびヒマラヤ氷河域で比較し,生じる差異を検証する.国内の平地から山岳地域まで3種類の地形において精度検証したところSRTM1とASTER GDEMに対して,ALOS World 3Dがすべての地形で最も高精度であることが分かった.またヒマラヤ氷河域で生じるデータの欠損は,SRTM1では急斜面に多く存在するのに対して,ALOS World 3Dでは積雪の可能性が高く,平坦で標高の高い地表面に多く存在する傾向が明らかになった.山岳氷河の研究においては,これらの精度や特性の差異を考慮したうえで,適切なDEMを選択することが望まれる.
著者
MATOBA Sumito(的場澄人) MOTOYAMA Hideaki(本山秀明) FUJITA Koji(藤田耕史) YAMASAKI Tetsuhide(山崎哲秀) MINOWA Masahiro(箕輪昌紘) ONUMA Yukihiko(大沼友貴彦) KOMURO Yuki(小室悠紀) AOKI Teruo(青木輝夫) YAMAGUCHI Satoru(山口悟) SUGIYAMA Shin(杉山慎) ENOMOTO Hiroyuki(榎本浩之)
出版者
公益社団法人 日本雪氷学会
雑誌
Bulletin of Glaciological Research (ISSN:13453807)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.7-14, 2015 (Released:2015-12-08)
参考文献数
20
被引用文献数
10

During spring 2014, we drilled an ice core on the northwestern Greenland Ice Sheet, recovering a core of total length 225m. We also conducted stratigraphic observations, measurements of the density of the ice core, near-infrared photography of the ice core, preparation of liquid samples for chemical analysis, and measurements of borehole temperature. The pore close-off depth was 60m, and the temperature in the borehole was −25.6°C at a depth of 10m. In addition, we conducted snow-pit observations, ice-velocity and surface-elevation measurements using the global positioning system (GPS), meteorological observations, and installation of an automated weather station (AWS).
著者
関戸 弥太郎
出版者
公益社団法人 日本雪氷学会
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.251-262, 1980-12-31 (Released:2009-07-23)
参考文献数
5
被引用文献数
1 1
著者
亀田 貴雄 桑迫 拓哉 白川 龍生
出版者
公益社団法人 日本雪氷学会
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.85, no.4, pp.199-222, 2023-07-15 (Released:2023-09-04)
参考文献数
35

冬期の平均的な積雪深を表す指標として年平均積雪深を新たに導入し,従来から用いられている年最大積雪深による結果と比較した.その結果,北海道,東北,北陸で気象庁が観測する 48 地点での過去60年間の年平均積雪深のトレンドは北海道日本海側3地点,北海道オホーツク海側1地点,北陸6地点で減少を示し,北海道太平洋側4地点,東北太平洋側1地点で増加を示した.年平均積雪深を用いることで従来の年最大積雪深では検知されなかったトレンドを新たに6地点で検出することができた.年最大積雪深のトレンドは年平均積雪深の1.6~3.4倍となり,年最大積雪深を用いて平均的な積雪深を評価すると変動傾向は過大評価となることがわかった.一方,48地点を冬期気象に基づき6つの地域に分類し,地域ごとの年平均積雪深と年最大積雪深の経年変化を調べた.その結果,年平均積雪深では北海道太平洋側は増加,北陸は減少のトレンドが検出できた.年最大積雪深では北海道日本海側と北陸で減少のトレンドを検出できた.48地点の積雪深と気象指標(冬期平均気温,北極振動)との関係,積雪期間,積雪初日,積雪終日の変動,顕著な積雪深減少が続いている北陸での減少理由を議論した.
著者
正路 倫之助
出版者
公益社団法人 日本雪氷学会
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.5, no.7, pp.211-215, 1943-07-01 (Released:2009-07-23)
参考文献数
7
著者
東海林 明雄
出版者
公益社団法人 日本雪氷学会
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.83, no.4, pp.403-419, 2021 (Released:2022-02-16)
参考文献数
36

御神渡りは諏訪湖が有名で,20世紀初頭から研究記録があり,その成因は,氷板の熱収縮・膨張により「その隆起は氷温の上昇による,熱膨張によって起る」,つまり「氷温上昇時の昼間に起こる」とされて来た.そして,この成因論が「従来説」として一世紀に亙って踏襲されてきた.しかし,浜口は,この説が観測データによらない推論であった事に着目して,新しい成因論を提起した.その理論は,火山物理学と地震学的観点をもとにしている.それによると,御神渡りの隆起は「氷温低下時の夜間に起こる」ことになり,従来説の昼間とは逆の結果になる.本報では,これまでの屈斜路湖の御神渡りの割れ目幅の定量的観測やビデオカメラによる御神渡り発生映像記録,さらに最近の現地での観測による検証によって,夜間冷却時の氷板収縮時に開いた水面で新たな氷が生成され,昼間の氷温上昇時の氷板膨張により御神渡りは発生することを実証した.また,従来の研究は,御神渡り発現(発生)時の研究に留まっていた.本報では,一旦発現した御神渡りのその後の成長発達の観測記録を取得し,成長発達の基本プロセスを解明できたと考える.
著者
永淵 修 中澤 暦 篠塚 賢一
出版者
公益社団法人 日本雪氷学会
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.84, no.1, pp.29-37, 2022-01-15 (Released:2022-02-16)
参考文献数
21

マイクロプラスチック(MPs)は,都市域のみならず,世界最高峰のエベレスト山の雪やマリアナ海溝の最深部の堆積物,北極圏の雪など地球上のあらゆるところで発見されている.しかし,その輸送経路については未知の部分が多い.ここでは,北および西風が卓越する冬季に人為汚染のない自由対流圏にある高山で樹氷と積雪を採取し,MPsの有無についてFTIRイメージングを用いて検証した.その結果,積雪と樹氷中にMPsの存在が明らかになった.樹氷中には,8.34×106 m-3 から12.3×106 m-3 の範囲でMPsが検出され,積雪中には1.34×106 m-3 のMPsが存在した.樹氷中のMPsの濃度は積雪中の約10倍であった.樹氷中のMPsの粒径分布をみると,100 µm以下に90 %以上が存在し,その大部分が断片であった.構成成分はポリエチレン(PE)が主成分であった.都市域から離れた自由対流圏にある高山にもMPsによる汚染が存在していることが明らかになった.
著者
藤井 理行 樋口 敬二
出版者
公益社団法人 日本雪氷学会
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.173-186, 1972
被引用文献数
4 1

富士山頂において, 富士山測候所付近で存在を知られていた凍土は, 山頂一帯にわたる永久凍士 (permafrost) ではないかと考え, 凍土およびその上部融解層 (活動層, activelayer) の調査を, 1970, 71年に4回にわたっておこない, 次のような結果を得た.<BR>(1) 1971年10月の調査から山頂部の凍土は, 越年する凍土すなわち永久凍土である事を確認した.永久凍土の分布は, 山頂部一帯に広がり, 下限高度は2,800~2,900mで, 高緯度永久凍土南限の年平均気温とよい一致を示す高度である.<BR>(2) 活動層厚は, 山頂部においては7月末で50~130cmで5月末の積雪水量が大きい所ほど小さい.<BR>(3) 火口稜線内部の活動層厚は, 消雪後の積算温度 (thawing index) の平方根にほぼ比例し, その比例定数である融解係数は6.44である.<BR>(4) 火山砂礫の透水性は, 凍土の方が同じ有効空隙率を有する非凍土に比べはるかに良い.10月に採取した凍土及び非凍土の透水係数 (permiability) は, それぞれ約0.62×10<SUP>-2</SUP>cm/s, 0.74×10<SUP>-2</SUP>cm/sで, 透水性は良好である.透水試験及び凍結面の観察から, 永久凍土の成長は, 水の供給という点で, 熔岩帯では制約を受けるが, 砂礫帯では制約を受けないと考えられる.<BR>(5) 積雪が最寒期に少なく, 気温が0℃を上まわる4月末から5月にかけて多いという富士山頂部での傾向は, 永久凍土の形成, 維持という点で有利な役割を果している.
著者
沢田 照夫
出版者
公益社団法人 日本雪氷学会
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.12-14, 1962 (Released:2009-09-04)
参考文献数
2
被引用文献数
4