- 著者
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慶田 雅洋
津郷 友吉
- 出版者
- Japanese Society for Food Hygiene and Safety
- 雑誌
- 食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
- 巻号頁・発行日
- vol.10, no.2, pp.59-67, 1969-04-05 (Released:2009-12-11)
- 参考文献数
- 36
- 被引用文献数
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ジメチルニトロソアミンなどの低級ニトロソアミンの強い発がん性についてはすでに確かめられている. これらのニトロソアミンは食品中で亜硝酸と第二級アミンの反応によって生成する. ノルウェーにおける1957年のにしん飼料中毒事件はニトロソアミンによって起こったものであることが明らかにされている. 亜硝酸塩を肉色の発色剤として使用する肉製品のニトロソアミン含量について測定した結果はドイツにおいて多くとも1ppm以下であるという漠然とした成績が得られているにすぎない. チーズの製造の際に原料に添加した硝酸塩より熟成中にキサソチンオキシダーゼの作用で亜硝酸の生成することが確認されている. しかしながら現在までのところでは添加した硝酸塩よりニトロソアミンの形成されることは証明されていない. 小麦粉中にも検出したという報告もあるが, いずれの食品においても現在のところではまだ検索の初期の段階であって今後の成果が期待される. ただその中でも国際酪農連盟を中心としたチーズ中のニトロソアミンに関する組織的な活動が注目される. 現在のところでは0.5μg以上のニトロソアミンを検出する方法が開発されているが, 将来さらに精度を高めることが期待される.