著者
城山 英明 村山 明生 梶村 功
出版者
社会技術研究会
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.149-158, 2003 (Released:2009-08-19)
参考文献数
2
被引用文献数
1 1

米国の航空事故調査は, NTSBが主導し事故原因の究明と再発防止を図っている.NTSBは,関係当事者から専門的知見を集めるパーティー・システムに基づく調査,実効性の高い勧告システムを特徴とするほか,事故犠牲者や遺族に対する一元的支援も実施する.米国では,航空事故への責任追及の手段としては,個人への刑事訴追は極めてまれであるが,懲罰的損害賠償(民事責任)や高額の民事罰(行政処分)が,本来刑事の有する処罰機能を代替し,航空会社やメーカーなど組織への制裁手段として機能している.日本においても,米国の実態の全体像を踏まえた,航空事故調査体制の充実や法的責任追及のあり方に関する議論が行われることが期待される.

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米国における航空事故をめぐる 安全確保の法システム ∼日本への示唆∼ https://t.co/CfJDiAzqSP >最終報告書については証拠として使えないが,事実報告書については活用が可能とされた. (中略)個々のNTSB 調査官の見解なども含めて,事実報告書の内容が幅広く訴訟の証拠として許容されている
@kaorurmpom 米国については、少し古いですがこちらが参考になります。 https://t.co/JNSs4jPAHn 米国では過失犯が処罰される例がほとんどない(捜査機関の出番が少ない)ので、その辺りの事情も関わってきそうです。
米国における航空事故をめぐる安全確保の法システム https://t.co/wx3EzKWnqF
米国における航空事故をめぐる安全確保の法システム https://t.co/gk13SU1W20

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