著者
永瀬 圭
出版者
社会学研究会
雑誌
ソシオロジ (ISSN:05841380)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.41-57, 2017-02-01 (Released:2020-06-27)
参考文献数
40

本稿では、若年層の女性において、就業形態や収入といった経済的地位の変化に伴って結婚意欲にどのような変化が生じるのかを明らかにする。 日本における近年の先行研究では、女性の就業形態の不安定さや収入の低さが結婚意欲の弱さにつながることが示唆されている。しかし、そのほとんどがクロスセクションデータの分析であるため、基本的な性格、価値観やライフスタイルといった観察されない異質性の影響を取り除いた、経済的地位の直接的な影響を解明できておらず、また、同一個人の変化を分析していないので、両者の因果関係についての判断を下すことができない。 そこで、本稿では女性の経済的地位と結婚意欲の連動性を正確に把握することを目的として、東京大学社会科学研究 所パネル調査プロジェクトが行った「東大社研・若年パネル調査(JLPS-Y)wave1-6, 2007-2012」を用い、カテゴリカル変数の変化の方向や変化しない場合の状態の違いを区別する一階差分モデルに沿って分析を行った。その結果、一九七二~一九八六年生まれのコーホートの女性に関しては、①就業形態自体の変化によって結婚意欲に変化が生じるとは言えないこと、②収入が増加すると結婚意欲が強まる傾向があり、また、就業時間や交際相手の有無に関係なく、収入自体が結婚意欲に対してプラスに作用する要素であることが示された。女性の収入が結婚意欲に影響を及ぼす理由としては、家庭生活において女性の経済力の重要性が増してきたことや、経済状況の悪化によって女性の経済力に対する男性側の関心が高まってきたことが考えられる。

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生涯未婚者とは45〜55歳の未婚者ですが、若年(20、30代)では女性の高収入者はもっと少ないです。 ↓女性の収入と結婚の関係を分析した論文 https://t.co/Ywh30aJoIy

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