著者
桜井 啓太
出版者
社会政策学会
雑誌
社会政策 (ISSN:18831850)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.91-101, 2020-03-20 (Released:2022-04-04)
参考文献数
27

2005年度より全国の福祉事務所で生活保護自立支援プログラムが実施されており,背景には,社会保障審議会(生活保護の在り方に関する専門委員会)で提案された「三つの自立論」と,それに基づく自立支援(就労自立支援/日常生活自立支援/社会生活自立支援)の誕生がある。「三つの自立論」は,従来の「自立=保護廃止」が支配的であった生活保護行政,生活保護ケースワークに大きなインパクトをもたらしたと言われている。 本稿では,生活保護の「三つの自立論」を,障害学の知見から批判的に再検討し,その自立論の問題点を明らかにする。次に,専門委員会以前から独自の自立論を展開してきた三人の論者を紹介し,社会福祉における「自立の拡大傾向」を確認し,その問題点と他の可能性について検討する。

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桜井 啓太(2020)生活保護における「三つの自立論」の批判的検討 https://t.co/10ZEvbHMns
桜井啓太「生活保護における『三つの自立論』の批判的検討」https://t.co/TEWc9SKtoY で論じられているように、生活保護の三つの自立支援は「就労によらない経済的自立」を不可視している。だからこそ三つの自立支援を称揚することの含意を批判的に考えたい。より生の可能性を広げるためにも。

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