著者
大戸 夢木 坂上 嶺 日比野 友亮 松重 一輝 内田 和男 望岡 典隆
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.88, no.3, pp.152-161, 2022-05-15 (Released:2022-05-21)
参考文献数
39
被引用文献数
2

ニホンウナギの成長や降海時の順応の場である汽水域のハビタットの劣化は著しい。本研究では,このハビタットの創出・復元を目標に,本種がどのような浮石間隙構造を好むかを生活史段階ごとに検証した。汽水域において異なるサイズの石(大,長軸30 cm;中,20 cm;小,10 cm)を詰めた石倉カゴ(研究用漁具)の利用状況を比較したところ,未成熟のクロコや黄ウナギは間隙が細かい「小」を好むが,海へ産卵に向かう銀ウナギは「大」,「中」のみで出現した。これは,間隙構造の多様性が河川生活を完結する上で重要であることを示唆している。

言及状況

外部データベース (DOI)

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#九州大学 らの研究チームは、#ウナギ 資源の減少を⾷い⽌めるには汽⽔域の成育場所を取り戻すことが重要で、狭い浮⽯の間隙が汽⽔域のウナギの中⻑期的な定着だけでなく餌⽣物の蝟集を通じて成⻑をも促す可能性を発⾒しました。 論文:https://t.co/eCc4JA2z5j https://t.co/fJambMstxW #九大研究成果
ニホンウナギの各生活史段階における石倉カゴの浮石間隙構造への選好性:汽水域のハビタットの効果的な復元に向けて。大戸ほか 2022 (日本語論文、オープンアクセス) https://t.co/AhmdTR1qVU 未成熟個体と成熟個体で好む間隙の大きさが変わるため、間隙構造の多様性が重要とのことです。#論文紹介

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