著者
中村 智幸
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.434-440, 1999-05-15 (Released:2008-02-01)
参考文献数
30
被引用文献数
16 14

1996年10月から1997年3月にかけて, 利根川水系鬼怒川の小支流において, イワナの人工産卵場の造成と産卵状況調査を行った。10月中旬に, 丸太, 石, 礫を材料に, 幅2m, 長さ6mと9mの産卵場を早瀬に1カ所ずつ造成した。造成の翌日から11月中旬にかけて, 人工産卵場と自然の産卵場でイワナの産卵行動が観察された。1月初旬に産卵場を掘り返し, 2カ所の人工産卵場で計51卵室と8101粒の卵, 10カ所の自然の産卵場で12卵室と2119粒の卵をそれぞれ確認した。発眼率の平均値は人工産卵場78.0%, 自然の産卵場60.1%で, 人工産卵場のほうが有意に高かった。3月中旬には人工産卵場, 自然の産卵場ともにふ化仔魚を確認した。以上の結果から, イワナの増殖に対して人工産卵場の造成は有効な手段のひとつになると考えられた。

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@FLIX_AG 遊漁による漁獲圧を減らす方法(尾数制限、禁漁期を長くする、全長制限を引き上げる)で産卵できる親魚数を増やす努力が必要です。 禁漁後のイワナ個体数に関して https://t.co/6CoIM6plGo 産卵場造成に関して https://t.co/8s6S5oq84Z 尾数制限の効果について https://t.co/7OZMWZ6LtU

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