著者
辻村 卓 小松原 晴美 荒井 京子 福田 知子
出版者
公益社団法人 日本ビタミン学会
雑誌
ビタミン (ISSN:0006386X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.67-74, 1997-02-25 (Released:2017-12-26)
参考文献数
16
被引用文献数
6

本実験の結果、ミネラルは各試料について、特徴的な年間の含有量変動をつかむことはできなかった。分析項目中、含有量の変動が比較的大であったカロチンとV.Cについて含有量変化の通年の変動が大きい試料、小さい試料に分けて示す。(1)栄養成分量が季節で変動する試料 カロチンとV.Cの充実期が重なるもの:キャベツは通年が出回り期であるが、12〜4月を両ビタミンの充実期としている。ミネラルは特に傾向を示していない。トマトは夏期にビタミンが充実していた。しかし、四訂食品成分表作成時とは異なる品種が店頭に出回っている。カロチン、V.Cとも成分表値を下回った。ほうれんそうは11〜3月の出回り期がビタミンの充実期であった。ミネラルでは季節による含有量の変化は認められなかった。カロチンとV.Cの充実期が異なるもの:かぼちゃはカロチンの含有量が2〜6月に充実していた。V.Cは3, 6, 12月に40mg以上となったが、7, 8月は低値であった。さやいんげんはV.Cが5, 6月に最高含有量であった。キウイフルーツはV.Cが1〜5月にやや低値であったが、年間を通じて高含有量(最低36mg)を維持した。カロチン含有量は低値であった。カロチンのみ変動:にんじんは通年が出回り期(10月が少し多い)であるが、カロチンは5〜10月に充実していた。ビタミンCのみ変動:ジャガイモはV.Cが5〜9月に充実していた。ミネラルでは季節による含有量の変化が認められなかった。(2)栄養成分量が季節で変動しない試料 セロリーの通年の測定平均値はカロチン77μg, V.C6mg/100gであるが、毎月の測定値もこれらに近いものであった。ピーマンの出回り期は5, 6月であるが、栄養成分、特にV.Cは通年にわたり高含有量(最低70mg)を維持した。

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

収集済み URL リスト