著者
辻村 卓 日笠 志津 根岸 由紀子 奥崎 政美 竹内 周 成田 国寛
出版者
公益社団法人 日本ビタミン学会
雑誌
ビタミン (ISSN:0006386X)
巻号頁・発行日
vol.79, no.10, pp.497-502, 2005-10-25 (Released:2017-10-10)
参考文献数
18
被引用文献数
5

Japan used to be an agricultural country, which traditional agricultural method has been organic farming. Health of farmers, environmental preservation and fertility existed at that time. The fact that the introduction of agrichemicals and fertilizers has rapidly expanded production output must be appreciated but many advantages of organic farming were lost. Organic farming primarily aims at environmental preservation and sustainable agriculture. In this report, lettuce (Lactuca saliva L.), KOMATSUNA (Brassica campestris L. var. komatsuna MATSUM) and spinach (Spinacia oleracea L.) were analyzed. For each vegetable, organically and conventionally grown agricultural products were obtained. We carried out the analysis of nutrient compositions and compared and examined the organically and conventionally grown agricultural products. In samples cultivated in multiple prefectures for this study, the difference caused by various cultural conditions could not be recognized in terms of moisture, ash content, minerals, vitamins and free amino acids contents. The data did not show any nutritional superiority of organically grown agricultural product.
著者
辻村 卓 荒井 京子 小松原 晴美 笠井 孝正
出版者
Japan Association of Food Preservation Scientists
雑誌
日本食品保蔵科学会誌 (ISSN:13441213)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.35-40, 1997-01-25 (Released:2011-05-20)
参考文献数
14

冷凍あるいは凍結乾燥処理を施した食品中のビタミンおよびミネラルについて実験した。いも2種類野菜11種類を実験試料とした。適当な大きさに切断した試料をブランチング処理後, これらに冷凍および凍結乾燥処理を施し, 以後12カ月間にわたり水分, カロチン, B1, B2, ナイアシン, ビタミンCについて分析を行い, 冷凍および凍結乾燥後の冷蔵保存が各試料中の栄養成分の残存とどのような関係になるかを検討した。(1) ブランチング処理試料についてはカロチン, B1, ビタミンCについて分析を施した。西洋かぼちゃは新鮮試料と比較してB125%, ビタミンC30%を減少させた。しゅんぎくはB115%, ビタミンC30%を失った。カロチンは一定量を示した。(2) 12ヵ月間-24℃に保存した冷凍試料の場合, 水分は変動がない。カロチン含有量が減少したものはさつまいも, チンゲンツァイ, わらびなどであった。 B1, B2, ナイアシンは分析の結果減少を認めなかった。ビタミンCはえんどう (グリーンピース), しゅんぎくで減少した。(3) 12ヵ月間冷蔵庫中に保存した凍結乾燥試料の場合, 水分の変動はなかった。カロチン含有量はアスパラガス, さやえんどう, 西洋かぼちゃ, キャベツ, しゅんぎく, チンゲンツァイ, にんじん, わらびなどで減少した。B1, B2, ナイアシンでは減少を認めなかった。ビタミンCはアスパラガス, さやえんどう, キャベツで減少を認めた。本実験の研究費の一部はビタミンC研究委員会からの援助によるものである。
著者
辻村 卓 荒井 京子 小松原 晴美 笠井 孝正
出版者
一般社団法人 日本食品保蔵科学会
雑誌
日本食品保蔵科学会誌 = Food preservation science (ISSN:13441213)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.35-40, 1997-01-25
参考文献数
16
被引用文献数
1

冷凍あるいは凍結乾燥処理を施した食品中のビタミンおよびミネラルについて実験した。<BR>いも2種類野菜11種類を実験試料とした。適当な大きさに切断した試料をブランチング処理後, これらに冷凍および凍結乾燥処理を施し, 以後12カ月間にわたり水分, カロチン, B<SUB>1</SUB>, B<SUB>2</SUB>, ナイアシン, ビタミンCについて分析を行い, 冷凍および凍結乾燥後の冷蔵保存が各試料中の栄養成分の残存とどのような関係になるかを検討した。<BR>(1) ブランチング処理試料についてはカロチン, B<SUB>1</SUB>, ビタミンCについて分析を施した。西洋かぼちゃは新鮮試料と比較してB<SUB>1</SUB>25%, ビタミンC30%を減少させた。しゅんぎくはB<SUB>1</SUB>15%, ビタミンC30%を失った。カロチンは一定量を示した。<BR>(2) 12ヵ月間-24℃に保存した冷凍試料の場合, 水分は変動がない。カロチン含有量が減少したものはさつまいも, チンゲンツァイ, わらびなどであった。 B<SUB>1</SUB>, B<SUB>2</SUB>, ナイアシンは分析の結果減少を認めなかった。ビタミンCはえんどう (グリーンピース), しゅんぎくで減少した。<BR>(3) 12ヵ月間冷蔵庫中に保存した凍結乾燥試料の場合, 水分の変動はなかった。カロチン含有量はアスパラガス, さやえんどう, 西洋かぼちゃ, キャベツ, しゅんぎく, チンゲンツァイ, にんじん, わらびなどで減少した。B<SUB>1</SUB>, B<SUB>2</SUB>, ナイアシンでは減少を認めなかった。ビタミンCはアスパラガス, さやえんどう, キャベツで減少を認めた。<BR>本実験の研究費の一部はビタミンC研究委員会からの援助によるものである。
著者
辻村 卓 小松原 晴美 荒井 京子 福田 知子
出版者
日本ビタミン学会
雑誌
ビタミン (ISSN:0006386X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.67-74, 1997-02-25
被引用文献数
7

本実験の結果、ミネラルは各試料について、特徴的な年間の含有量変動をつかむことはできなかった。分析項目中、含有量の変動が比較的大であったカロチンとV.Cについて含有量変化の通年の変動が大きい試料、小さい試料に分けて示す。(1)栄養成分量が季節で変動する試料 カロチンとV.Cの充実期が重なるもの:キャベツは通年が出回り期であるが、12〜4月を両ビタミンの充実期としている。ミネラルは特に傾向を示していない。トマトは夏期にビタミンが充実していた。しかし、四訂食品成分表作成時とは異なる品種が店頭に出回っている。カロチン、V.Cとも成分表値を下回った。ほうれんそうは11〜3月の出回り期がビタミンの充実期であった。ミネラルでは季節による含有量の変化は認められなかった。カロチンとV.Cの充実期が異なるもの:かぼちゃはカロチンの含有量が2〜6月に充実していた。V.Cは3, 6, 12月に40mg以上となったが、7, 8月は低値であった。さやいんげんはV.Cが5, 6月に最高含有量であった。キウイフルーツはV.Cが1〜5月にやや低値であったが、年間を通じて高含有量(最低36mg)を維持した。カロチン含有量は低値であった。カロチンのみ変動:にんじんは通年が出回り期(10月が少し多い)であるが、カロチンは5〜10月に充実していた。ビタミンCのみ変動:ジャガイモはV.Cが5〜9月に充実していた。ミネラルでは季節による含有量の変化が認められなかった。(2)栄養成分量が季節で変動しない試料 セロリーの通年の測定平均値はカロチン77μg, V.C6mg/100gであるが、毎月の測定値もこれらに近いものであった。ピーマンの出回り期は5, 6月であるが、栄養成分、特にV.Cは通年にわたり高含有量(最低70mg)を維持した。
著者
辻村 卓 日笠 志津 根岸 由紀子 奥崎 政美 竹内 周 成田 国寛
出版者
日本ビタミン学会
雑誌
ビタミン (ISSN:0006386X)
巻号頁・発行日
vol.79, no.10, pp.497-502, 2005-10-25
被引用文献数
5

Japan used to be an agricultural country, which traditional agricultural method has been organic farming. Health of farmers, environmental preservation and fertility existed at that time. The fact that the introduction of agrichemicals and fertilizers has rapidly expanded production output must be appreciated but many advantages of organic farming were lost. Organic farming primarily aims at environmental preservation and sustainable agriculture. In this report, lettuce (Lactuca saliva L.), KOMATSUNA (Brassica campestris L. var. komatsuna MATSUM) and spinach (Spinacia oleracea L.) were analyzed. For each vegetable, organically and conventionally grown agricultural products were obtained. We carried out the analysis of nutrient compositions and compared and examined the organically and conventionally grown agricultural products. In samples cultivated in multiple prefectures for this study, the difference caused by various cultural conditions could not be recognized in terms of moisture, ash content, minerals, vitamins and free amino acids contents. The data did not show any nutritional superiority of organically grown agricultural product.
著者
辻村 卓 荒井 京子 日笠 志津
出版者
日本ビタミン学会
雑誌
ビタミン (ISSN:0006386X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.12, pp.579-581, 2000-12-25

Spinach nutrient levels seem to change considerably throughout the year. In this paper, we measured the levels of proximate composition, minerals, carotene, niacin and vitamin C in spinach in spring, summer and winter. The water content in summer was significantly high (p<0.001) compared to that in other seasons, while the levels of protein and carbohydrates were low (p<0.001). Levels of lipid and ash tended to increase in spring. Mineral contents depended on the individual specificity. Vitamin content decreased in summer. In particular, the levels of niacin and vitamin C were significantly lower in summer.
著者
日笠 志津 根岸 由紀子 奥崎 政美 成田 国寛 辻村 卓
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.26-32, 2012-06-30 (Released:2012-08-01)
参考文献数
27
被引用文献数
1 1

Consumers of organically-grown vegetables often believe that these products are healthful and taste better than conventionally-grown vegetables. However, nutrient content and organoleptic characteristics vary from farm and year to year. The objective of this study was to evaluate the influence of agricultural technique on the production of high quality vegetables each year, for 3 years. Nutrient component analysis and a sensory test (of quality, as indicated by appearance, texture and taste) of spinach and komatsuna were carried out on produce from an organic farm and a conventional farm in Mie prefecture. Cultivation practices were the responsibility of each farmer, who had been selected (from our previous studies) because they had cultivated organically-grown spinach or conventionally-grown komatsuna that had scored highly in the sensory test.  The amount of nutrients of komatsuna was no significant differences. The appearance and texture of organically-grown komatsuna were preferred but preference based on taste was different between each years. The water, manganese and total of free amino acid contents of organically-grown spinach were lower, and the sodium and oxalic acid contents were higher than those of conventionally-grown spinach. For each of the 3 years, the organically-grown spinach scored highly in almost every parameter of the sensory test. The spinach might be more susceptible to the effect of organic manure than komatsuna. The results suggest that cultivation technique is likely to contribute vegetable quality. Future study is needed to determine the influence of agricultural practices on nutrient content, taste and the eating quality of vegetables after cooking.
著者
辻村 卓 小松原 晴美 荒井 京子 福田 知子
出版者
公益社団法人 日本ビタミン学会
雑誌
ビタミン (ISSN:0006386X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.67-74, 1997-02-25 (Released:2017-12-26)
参考文献数
16
被引用文献数
6

本実験の結果、ミネラルは各試料について、特徴的な年間の含有量変動をつかむことはできなかった。分析項目中、含有量の変動が比較的大であったカロチンとV.Cについて含有量変化の通年の変動が大きい試料、小さい試料に分けて示す。(1)栄養成分量が季節で変動する試料 カロチンとV.Cの充実期が重なるもの:キャベツは通年が出回り期であるが、12〜4月を両ビタミンの充実期としている。ミネラルは特に傾向を示していない。トマトは夏期にビタミンが充実していた。しかし、四訂食品成分表作成時とは異なる品種が店頭に出回っている。カロチン、V.Cとも成分表値を下回った。ほうれんそうは11〜3月の出回り期がビタミンの充実期であった。ミネラルでは季節による含有量の変化は認められなかった。カロチンとV.Cの充実期が異なるもの:かぼちゃはカロチンの含有量が2〜6月に充実していた。V.Cは3, 6, 12月に40mg以上となったが、7, 8月は低値であった。さやいんげんはV.Cが5, 6月に最高含有量であった。キウイフルーツはV.Cが1〜5月にやや低値であったが、年間を通じて高含有量(最低36mg)を維持した。カロチン含有量は低値であった。カロチンのみ変動:にんじんは通年が出回り期(10月が少し多い)であるが、カロチンは5〜10月に充実していた。ビタミンCのみ変動:ジャガイモはV.Cが5〜9月に充実していた。ミネラルでは季節による含有量の変化が認められなかった。(2)栄養成分量が季節で変動しない試料 セロリーの通年の測定平均値はカロチン77μg, V.C6mg/100gであるが、毎月の測定値もこれらに近いものであった。ピーマンの出回り期は5, 6月であるが、栄養成分、特にV.Cは通年にわたり高含有量(最低70mg)を維持した。
著者
辻村 卓 日笠 志津
出版者
日本ビタミン学会
雑誌
ビタミン (ISSN:0006386X)
巻号頁・発行日
vol.81, no.10, pp.489-496, 2007-10-25
参考文献数
20
被引用文献数
3

3日間の低C食を摂取させた健康な女子10名を被験者として,AsAまたはDAsAの結晶1mmol(AsA176mg,DAsA174mg)を経口負荷させた場合の尿中総C量および全血中総C濃度を測定した.被験者は両C型(AsAとDAsA)の負荷試験を実施するため,約1ヶ月の期間をあけて同じ代謝試験を2回行い,次のような結果を得た.1)通常期および欠乏期の24時間尿中総C量は,AsA群,DAsA群の間に有意な差は認められなかった.C負荷後24時間尿中総C量では,AsA群のC排泄量がDAsA群を有意に上回った(p<0.05).2)C負荷後の経時的尿中C排泄量は,負荷後3〜6時間尿,6〜9時間尿および9〜12時間尿において,AsA群の総C排泄量がDAsA群を有意に上回った(p<0.05).3)C負荷後の経時的尿中C排泄量には個人差が大きいことを認めた.4)C負荷直前,C負荷後1,2,3時間全血中総C濃度を解析した結果,両群間に有意な差は認められなかったが,増加量で比較すると,C負荷1時間後でDAsA群がAsA群を有意に上回った(p<0.05).5)C負荷後0〜3時間尿中総C量と負荷後1,2時間の全血中総C増加量の間に強い正の相関が認められた(p<0.01).また,C負荷後0〜24時間尿(=負荷後尿)と負荷3時間後の全血中増加量の間にも同様に強い相関が認められた(p<0.01).