著者
酒井 昇
出版者
日本食品工学会
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.19-30, 2010 (Released:2011-03-28)

電子レンジを始めとしてマイクロ波加熱は、速く簡単に加熱・調理できることから、食品産業で良く利用されている。しかし、加熱速度が大きい半面、加熱むらも大きいなど問題も残っている。マイクロ波を照射したとき、被加熱物の加熱性を決めるのは誘電物性であることから、食品の誘電物性を知ることは重要である。本稿では、まずマイクロ波加熱の原理とマイクロ波加熱における水の役割について説明した。次に、水分濃度および塩分濃度の誘電物性に及ぼす影響について説明した。水分が減少することにより誘電率が減少し、塩分濃度が増えることにより誘電損率が増大する。最後に解凍にともなう物性変化について説明した。氷が融解するとき熱物性が変化するのと同時に誘電物性が大きく変化するため、ランナウェイ現象の原因となる。

言及状況

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せやねんのメチャ売れでニチレイのレンジでチンする冷やし中華が紹介されている。これは発売されたときからよく考えられてるなー、と思っていた。水は誘電率が高く、誘電正接も高くて発熱するが、氷は特に誘電正接がとても低く温まらない。 https://t.co/yVCQLfxlVG https://t.co/Ogx9q5mog5
水蒸気や水は 極性分子である H2Oの回転で電波や光を吸収 『誘電体損は 水分子の回転により 水分子同士が摩擦することによって起こるが 氷の場合は水分子が結晶となっているため 回転が起こらず 誘電体損も起こらない』 食品の誘電物性とマイクロ波加熱 日本食品工学会誌 https://t.co/o4tRgDP8Bz

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