- 著者
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飯塚 幸子
磯谷 敦子
神田 涼子
藤井 力
- 出版者
- 日本醸造協会
- 巻号頁・発行日
- vol.114, no.2, pp.93-101, 2019 (Released:2019-06-21)
(1)平成26酒造年度全国新酒鑑評会出品酒の「マスカット様」,「ライチ様」,「柑橘様」と表現される香り特性について,チオール類の関与を予測した検討を行った。(2)チオール類の関与が考えられるコメントや指摘のあった試料25点の4MMP含量は,5~14ng/Lで,いずれも以前に報告した清酒における4MMPの検知閾値(1.2ng/L)よりも高かった。(3)チオール類を選択的に抽出した試料のGC/Oを行った結果,4MMP以外のチオール類も清酒中に存在する可能性が示唆された。(4)4MMPを添加した清酒の官能評価試験を行い,清酒の香味に対する4MMPの影響を調べた。その結果,8.0ng/L以上の4MMPの添加により,「硫黄系」の香り特性が有意に増強された。また,16.0ng/L以上の4MMPの添加により,総合的な香味評価は有意に低下したものの,「マスカット」,「ライチ」,「柑橘」などと表現される「果実様」の香り特性も増強された。