著者
丸山 康子 飯塚 幸子 吉田 敬一
出版者
Japan Society of Physiological Anthropology
雑誌
The Annals of physiological anthropology (ISSN:02878429)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.61-70, 1991-01-01 (Released:2011-02-07)
参考文献数
33
被引用文献数
8 11

Utilizing an ultrasonic device (B-mode, 7.5MHz), the thickness of subcutaneous fat was measured at 54 different points in the bodies of 59 males (aged 20-25) and 66 females (aged 20-23). The results were as follows;1. The females had significantly thicker subcutaneous fat than those of the males at every point measured.2. The thick subcutaneous fats were obsereved at the abdomen, buttocks, and the anterior and medial parts of the thigh in the males, and at the breast, buttocks, abdomen, the posterior, medial, and anterior parts of the thigh, and the anterior, medial, and posterior parts of the upperarm in the females, respectively.3. The subcutaneous fat of both sexes was more likely to be thicker in body parts closer to the trunk than the extremities.4. The correlation coefficient between the percent body fat and the mean thickness of subcutaneous fat obtained from data was 0.91 for the males and 0.83 for the females.
著者
飯塚 幸子 磯谷 敦子 神田 涼子 藤井 力
出版者
日本醸造協会
巻号頁・発行日
vol.114, no.2, pp.93-101, 2019 (Released:2019-06-21)

(1)平成26酒造年度全国新酒鑑評会出品酒の「マスカット様」,「ライチ様」,「柑橘様」と表現される香り特性について,チオール類の関与を予測した検討を行った。(2)チオール類の関与が考えられるコメントや指摘のあった試料25点の4MMP含量は,5~14ng/Lで,いずれも以前に報告した清酒における4MMPの検知閾値(1.2ng/L)よりも高かった。(3)チオール類を選択的に抽出した試料のGC/Oを行った結果,4MMP以外のチオール類も清酒中に存在する可能性が示唆された。(4)4MMPを添加した清酒の官能評価試験を行い,清酒の香味に対する4MMPの影響を調べた。その結果,8.0ng/L以上の4MMPの添加により,「硫黄系」の香り特性が有意に増強された。また,16.0ng/L以上の4MMPの添加により,総合的な香味評価は有意に低下したものの,「マスカット」,「ライチ」,「柑橘」などと表現される「果実様」の香り特性も増強された。
著者
登倉 尋実 飯塚 幸子 奥窪 朝子 田口 秀子 田村 照子 大野 静枝
出版者
奈良女子大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1989

"健康・快適"をキャッチフレ-ズとして,様々な特殊機能を付記していることを誇大な表示と広告で示した衣料品について,平成元年度に実態調査を行った結果,着用効果が確認されていないものや弊害が考えられるものが含まれていた。広告の実態が,果して表示通りの機能を有しているかどうかを,また人体生理に与える影響について,実験室及びフィ-ルドにおける着用実験で,平成2年度から3年度に調べ,得られた主な実見は女下の通りである。登倉はウォタ-ベットについて,使用時には通常のベット使用時よりも深い睡眼が得られるが水温設定には注意を要することを報告し,飯塚は睡眼実験によって,特殊機能を付記した部位別温度制御可能電気毛布の問題点をあげ,伊藤は拘束衣服の着心他と整容効果は数gf/cm^2の被服圧によって影響を受けることを,大野は女子大生約50名について,サポ-トタイプパンストの使用実態,着用感のアンケ-ト調査結果と,市販のサポ-トタイプパンストを収集分類して10種を選んで行った着用実験の結果を,奥窪は成人女子被験者及び発汗マネキンによるサウナス-ツ着用実験の結果をス-ツ下に着用する肌着素材及び発汗量レべルとの関連について,田村は,パンストによる過度の身体圧迫は血流を抑制することを,出口は健康サンダルには明確な仕様書や品質表示がないこと,またサンダル底面の刺激点と使用者の土踏まずとの適合性は個人差が大きいことを,栃原はー5℃の人工気候室内で一般のスキ-ウエアと,特殊加工し保温性に優れると称しているスキ-ウェア-とを着用した実験結果を,緑川は寒冷環境において特殊下半身加温用足温器を着装時には非着装時よりも作業能率低下が少なくなることを,中谷は衛生加工は洗濯によりその効力が失われることなどを,綿貫はハイサポ-ト型パンテイストッキングを着用すると心臓への静脈還流量が増し血行が改善された可能性があることを報告した。
著者
飯塚 幸子 Sachiko Iizuka
出版者
学習院大学人文科学研究所
雑誌
人文 (ISSN:18817920)
巻号頁・発行日
no.7, pp.67-86, 2009-03-28

本論では、心理療法におけるなぐり描きやなぐり描き法について現在の考えられ方を確認した上で改めて考え、その中に含まれているさらなる可能性について検討した。なぐり描き法において起こるのは投影であると一般に考えられている。しかし、投影に限らない、転回・展開の可能性が「なぐり描くこと」に存在すると考えることも可能である。この考えをもとに本論では、なぐり描き法におけるなぐり描くこと自体の重要性を、日本神話における「国生み」のエピソードに示される混沌の攪拌の重要性や、ケロッグ(1969/1998)の児童画研究に見出される形の変遷の意味の検討から改めて示唆した。そして、なぐり描きを真摯に行うことから、何かが生まれてきたり、より洗練された全体性のイメージが現れてきたりすることがあることを示し、なぐり描きにはその中からある種の統合が生まれてくる可能性が含まれていることについて考察した。またこれらより、心理療法において単純に既成の方法としてなぐり描き法を使用することの危険性を示唆した。
著者
都築 和代 飯塚 幸子 光辻 佐枝子 池田 麻子 富田 純子 栃原 裕 大中 忠勝
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.429-438, 2001-05-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
18
被引用文献数
3

A questionnaire survey was conducted to investigate the thermal environment experienced by young children in both summer and winter. The questionnaire consisted of two parts; the basic and the fact-finding questionnaires. The first part was designed to reveal the detailed characteristics of environmental preferences for both young children and their mothers as well as mothers' behavior regarding thermoregulation and their living environments. The second part sought information regarding the measurement of room temperatures, the activities, clothing and mothers' thermal sensations at home. The second part including the measurement of room temperature was conducted four times (9-10 AM, 1-2 PM, 5-6 PM, 8-10 PM) on a chosen day in winter as well as in summer.The results are as follows.1) Over 90% of the case, use of the heating and cooling equipment depended on the mother's thermal sensation in winter, while, 50% of the case, mother's thermal sensation led the behavioral thermal regulation at home in summer. The choice of children's clothing depended on weather (80%), mother' s thermal sensation (40%), and room temperature (20%).2) The field survey showed that the average ambient air temperatures in the dwelling where mothers and their children lived were 18°C in winter and 28°C in summer.3) The young children's clothing was one or two pieces fewer than mothers' both in summer and winter. The average clothing insulation for mothers was estimated to be 0.35 clo and 1.05 clo in summer and winter respectively, while the clothing insulation for children was estimated to be 0.1 clo and 0.3 clo less than that for mothers in summer and winter respectively.4) The relationship between ambient air temperatures and the mothers' thermal sensations was good in both winter and summer. The neutral temperatures for mothers that were determined from respective liner regression were 16°C and 26°C in winter and summer respectively. The other neutral temperatures determined by mothers' clothing insulation were 21°C and 27 °C in winter and summer respectively.
著者
飯塚 幸子 磯谷 敦子 神田 涼子 藤井 力
出版者
日本醸造協会
巻号頁・発行日
vol.114, no.2, pp.93-101, 2019 (Released:2019-06-21)

(1)平成26酒造年度全国新酒鑑評会出品酒の「マスカット様」,「ライチ様」,「柑橘様」と表現される香り特性について,チオール類の関与を予測した検討を行った。(2)チオール類の関与が考えられるコメントや指摘のあった試料25点の4MMP含量は,5~14ng/Lで,いずれも以前に報告した清酒における4MMPの検知閾値(1.2ng/L)よりも高かった。(3)チオール類を選択的に抽出した試料のGC/Oを行った結果,4MMP以外のチオール類も清酒中に存在する可能性が示唆された。(4)4MMPを添加した清酒の官能評価試験を行い,清酒の香味に対する4MMPの影響を調べた。その結果,8.0ng/L以上の4MMPの添加により,「硫黄系」の香り特性が有意に増強された。また,16.0ng/L以上の4MMPの添加により,総合的な香味評価は有意に低下したものの,「マスカット」,「ライチ」,「柑橘」などと表現される「果実様」の香り特性も増強された。